面白い本に出会うには、どうしたらいいのか?
週末、何か読みたい。んでも何を読んでいいやらわからない・・・。
本屋さんに行く時間がないので、本との出会いがない。
Amazonで検索しても、おすすめされるのは、自分が読んだことのある本に関連のある本なので、どうも似たり寄ったりになる。
友人など周りの人におすすめ本聞くと、面白くなかった時にリアクションに困る。
などなど、何か読みたいけど、なかなか読みたい本が見つからないことがあります。
私の読書量はたかがしれていますので、本好きの方なら「読んだことある!」という本ばかりかもしれませんが、私が読んだ本の中から、勝手におすすめする小説などいろいろ98冊を集めてみました。
ただ並べてもつまらないので、私の主観でランキングにもしています。
私が書いた日記へのリンクも貼っていますので、読んでいただけると嬉しいです!
週末読書家が選んだ オススメ本いろいろランキング
100位【歴史小説】
この100冊の中で最も、暗く淀んだ作品。
この本に買いてあることは、昔のことであり、今現地で暮らす人には、あまり関係のないことなのだろうけれど、この本を読んで以降、北海道に行く気をなくした。
世の中には、歴史の彼方に追いやられた、知られざる事実がまだまだあるんだなと、勉強不足を実感した。
99位【時代小説】草雲雀
時代小説の中でも、女性が意思を持って生き生きした姿として描かれていることから選んだ作品。
やっぱりこの時代のお侍さんものは、剣術ができるともう、それだけでカッコいい。
とはいえ、タイトルは渋く、剣術の振る舞いの描写も見事です。
98位【ミステリ】アリバイ崩し承ります
こういうの安楽椅子探偵っていうのかな。いながらにして事件を解決しちゃうの。しかもアリバイ崩し専門というから、ちょっと変わった趣向です。
ミステリにも密室ものとかいろいろあるけど、アリバイ崩し系のミステリって、たぶん好きな人いると思うんだよね。
謎解き役が動かない分、ストーリーに動きが少なくなるけど、それが、静かな時計店の雰囲気とマッチしていて、いい感じ。
ドラマ化しても良さそうな感じがする。
97位【ミステリー】木野塚探偵事務所だ 樋口有介(創元社推理文庫)
主人公は、警察を定年後に、憧れの担当事務所を開いた冴えないおじさんです。冴えないけど、人懐っこいところが憎めない、愛すべきおじさんです。
そんな探偵事務所で扱う事件も金魚探しや、猫探し、盆栽を散らせた犯人探しなどで、小さな事件ですが、次々と事件を見事?解決していきます。おじさんがあんまり活躍しないものご愛嬌。
もちろん探偵とその助手の関係も見逃せません。
96位【オカルト】怪談を書く怪談 加門七海(幽ブックス)
この本は、霊体験の豊富な著者が、自らの霊体験を集めて書いた本です。
実体験をもとにされておられるようですので、派手さはありませんが、少しづつ降り積もるように怖さが体にしみてきます。
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95位【物語】終電の神様 阿川大樹 (実業之日本社文庫)
同じ終電に乗り合わせた人たちのそれぞれの物語。
最終電車の独特の空気感の中で、いろんな人のそれぞれの人生が運ばれていく感じが、面白いですね。
まあ、特にそれぞれの物語が繋がっている訳ではないんだけど、一つ一つの物語がにっこりほっこりで優しい音楽みたい。
94位 毒見師イレーナ マリア・Vスナイダー(ハーパーBOOKS)
表紙の少女の表情と「毒見師」という言葉に、ハッとさせられました。
毒見師という役割の過酷さといいますか、暗殺劇があったりとかの憎悪劇かなと思っていたのですが、この本はファンタジーノベルです。全くもって、嬉しい誤算でした。
この本では、魔術師が物語の重要な意味を持っています。
表紙は女子向けっぽいですが、ハリーポッターやナルニア国物語などの魔術系物語がお好きな男子にもきっと気に入ってもらえる作品だと思います。
こちらも→毒見師イレーナ 映画にならないのが不思議でならない
93位【物語】切れない糸 坂木司 (創元推理文庫)
急遽、下町のクリーニング店の後を継ぐことになった主人公。彼が、お客さんから預かった洗濯物からお客さんの困りごと?を解き明かしていくストーリー。主人公が、お店の仲間や街の人たちに囲まれて、成長していくストーリーでもある。
クリーニング店が舞台となっているミステリーって、ちょっと珍しいですよね。
ゆったりした気持ちで過ごしたい午後なんかにぴったりの本です。
92位【物語】平台がおまちかね 大崎梢 (創元推理文庫)
この本の主人公は、出版社の新人営業マン井辻くんが、本屋さんを舞台に巻き起こる珍騒動をなんとなく解決してしまう、ちょっとミステリー的な短編集です。
91位【ミステリ】力士探偵シャーロック山 田中啓文(実業之日本社文庫)
なにが力士探偵だ!ふざけているのか?なんて思ったそこのあなた!
ふざけていませんよ。この本の主人公は、シャーロックホームズをこよなく愛する力士で探偵の斜麓山(しゃろくやま)そして、もちろん助手は同じ相撲部屋の付け人、輪斗山(わとさん)なのです。もう、めちゃくちゃシャーロックホームズをオマージュしまくっていて、ミステリもなかなかです。
シャーロックホームズファンの方も是非!
90位【ハードボイルド】果鋭 黒川博行(幻冬社)
主人公は、不祥事により警察を退職した元暴対刑事2人。
物語の始まりは、パチンコ店への恐喝をやめさせること。2人は、その調査の過程で、知り得た情報を、ヤクザさん相手に、どんどん金に変えていく。当然ヤクザさんも、もろともせず、ボコボコにします。
ハードボイルドって、読んでるこっちがイタタタってなるような殴り合いの場面が、魅力だったりするのですが、この本も読んでて痛い!
80位−89位
89位【ミステリー】依頼人は死んだ 若竹七海 (文春文庫)
女性探偵が主人公のミステリーです。
前作で主人公の姉が自殺しており、それがこの物語全体に暗い影を落としています。
短編小説ですが、自殺がモチーフに使われるなど、数珠つなぎの暗さです。
いやミスとは、この本のことでしょう。
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女探偵は死を見つめる いやーな読後感に、はまる人はハマるミステリー
88位【エッセイ】ねぼけ人生 水木しげる(ちくま文庫)
この本を書いたのは、言わずと知れた「ゲゲゲの鬼太郎」、「悪魔くん」の生みの親、水木しげるさんです。
この本は、子供の頃から、漫画が売れ出し多忙を極めた時期までを振り返る自叙伝的エッセイで、とてもねぼけていたような人生には思えませんでした。
また、この水木しげるさんとの人生を奥様が綴られた「ゲゲゲの女房」はNHKでドラマ化もされていて、両方を読むと、本人と妻のそれぞれから見た「水木しげる」が見れて面白いと思います。
87位【物語】しゃぼん玉 乃南アサ(新潮文庫)
どうしようもない奴というのはいるもので、この本の主人公「いずみ」は、このどうしようもない奴です。ですが、辿り着いた山間の村で、偶然に一人のおばあちゃんを助けたことで、「いずみ」の心に変化が訪れます。
「いずみ」と親、おばあちゃんと息子、それぞれの間にある見てみないふりをしてきた部分にも向き合うことになりました。
そうして「いずみ」は決断するのです。
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86位【物語】ときどき旅に出るカフェ 近藤史恵(双葉社)
職場と家の往復の毎日を過ごす主人公が、ふらりと立ち寄ったカフェの店主は、偶然にも、主人公の職場の後輩だった女性でした。
旅をテーマにしたそのカフェでは、月の初めの数日をお休みにして、世界各国の旅先で見つけた美味しい飲み物やお菓子をカフェで提供しています。そこは、一口お菓子を頬張ると、遠い異国を思わせ、心身ともに解放されるような、そんな素敵なカフェでした。
この本の物語は、主人公、店主そしてカフェに集まる人々の日常を描いた美味しいお菓子を食べたりするだけのほっこりした物語かと思いきや、ちょっとした謎解きもあり、楽しい作品です。
私の感想はこちら↓
85位【ファンタジー】黄金の烏 阿部智里(文春文庫)
日本を舞台としたファンタジーものの、それもシリーズ第3作目を選出した。
実はシリーズ第1作目が、私の好みではなかったため、2作目は読んでいない。縁あって、3作目を読んだところ、なぜか続きがきになる作品だったのだ。
次回作を期待させるような書きぶりもあり、1作目、2作目は、まだまだ本の序盤だったのだろう。
84位【ノンフィクション】「ミャンマーの柳生一族」高野秀行(集英社文庫)
この本は、「ミャンマーの柳生一族」だなんて禍々しいタイトルをつけていますが、ミャンマーを描いた正真正銘のノンフィクション作品です。
この本では、ミャンマーのその当時状況を、江戸時代と表現し、ミャンマーの政府を江戸時代の徳川幕府に、ミャンマーの政府の情報部を、徳川幕府における柳生一族見立て、終始、ミャンマーの状況を日本の江戸時代にリンクさせています。
それなりの江戸時代の知識で、十分楽しく読め、テンポよくミャンマーの知識も入り、面白いだけではなく、世界事情も学べるおすすめ本です!!
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ミャンマーの柳生一族 タイトルは怪しいけど「辺境面白珍道中記」だよ
珍獣ムベンベ いるかいないかは 確かめたものだけが語ることだ
83位【ミステリー】贖罪の奏鳴曲 中山七里(講談社文庫)
少女を殺した過去を持ち、成人後弁護士となった男が主人公。
主人公が引き受けた国選弁護の最高裁再審が、中心的なストーリーであるものの、主人公自身の更生をたどる子供の頃ことや、母親との確執などが重なりあった物語だ。
供述調書を読者に読ませて、事件の謎解きをさせるなど、法廷もののミステリーが好きな人には楽しい作品だと思います。
Amazonプライム・ビデオで違った結末のドラマも見れますので、こちらもおすすめです。
82位【物語】もういちど生まれる 朝井リョウ(幻冬舎文庫)
この本は、大学生を主人公とした青春小説です。
桐島、部活やめるってよ (集英社文庫)は映画化もされましたので、同著の本ではこちらをご存知の方も多いかと思います。
「もういちど生まれる」は、タイトルの作品を含めた短編が5つ、主人公がそれぞれ違っているけれど、微妙につながっていて、一話読むごとに世界が広がっていきます。若い人たちの世界の広がりは、見ていて気持ちがいいものです。
若いっていいな、青春っていいなを満喫できる本です。
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81位【エッセイ】残るは食欲 阿川佐和子(新潮文庫)
人間の欲求には、いろいろあるけれど、幾つかの欲求の中から「残るは食欲」なのだろうが、こう読むと、深いものを込められたタイトルというか、自虐的というか、面白うタイトルだな、と思う。
この本、新潮文庫の100冊のヤバイ本から選んだ一冊なのですが、食欲だけが残った女と読めば、かなりヤバイ本なのかもしれない。
詳しくはこちらを↓
80位【ミステリ】エチュード 今野敏
この本は、警察官碓氷弘一が主人公のミステリー第4作目です。舞台は、渋谷・新宿で発生した連続通り魔殺人事件。立て続けに起こった、この2件の事件には共通点がありました。
主人公碓氷と、警察庁から送り込まれた心理調査官藤森(美人の女性)が、犯人との心理戦を繰り広げます。
心理調査官は、仲間由紀恵あたりでドラマ化されないかしら。著者の書いたトリックを目で見て、皆で騙されたいなあ。
こちらも→
エチュード 犯人との心理戦に引き込まれる 碓氷弘一シリーズ 順番まとめ付き
70位ー79位
79位【物語】「瓶詰の地獄」夢の久作(角川書店)
この本は、 「ドグラ・マグラ(上)<ドグラ・マグラ> (角川文庫)」を始め、幻想的というか怪奇的というか、おどろおどろしというか、まさに夢野久作さんにしか描くことのできない、そんな夢野ワールド短編7を集めた短編集です。
タイトルにしても、地獄を覗き見たい気持ち掻き立て、その地獄を覗き見た時のおぞましさたるやいかなるものかと、読み手に強く想像させます。
そうして「瓶詰の地獄」を読むとそこに描かれた強い愛と欲に自分自身が共鳴していくようで怖くてなりません。こころして、この作品に取り掛かりましょう。
本日記はこちら→瓶詰の地獄 地獄を瓶に詰めてみました
78位【物語】「とにかくうちに帰ります」津村記久子(新潮文庫)
生きているといろんなことあるもので、私のような凡人のありきたりな毎日でも、 心の上げ下げや、伸び縮みはあるものです。
この本を読んでいると、小さな毒や幸せの種が、プチプチと弾けて、私の心をくすぐります。とにかくうちに帰ります
大雨の中、最後のバスに乗り遅れて、遠い駅までまわり道。
うちに帰る。ただそれだけの幸せがそこに待っている。
私の感想はこちら↓サラリーマンはつらいのだ とにかくうちに帰りたいのだ
77位【物語】タックスヘイブン Tax Haven 橘 玲 (幻冬舎文庫)
1000億円からの金を動かすファンドマネージャーの北川がシンガポールのホテルで転落死をした。
実は、予想していたより面白くて、ちょっとびっくりしたんですよね、この本。
この物語は、タイトルになっているタックス・ヘイブンの部分って、ちょっとしかなくないですか?という感じで、巨額のお金が蠢く、なんでもありの金融エンターテイメントです。
詳しくはこちらを↓
76位【エッセイ・書評集】「打ちのめされるようなすごい本」(文藝春秋)
この本は、米原万里さん自身の癌闘病記でもある「私の読書日記」と1995年から2005年までの10年間の全書評をまとめたものです。
タイトルに「打ちのめされるようなすごい本」とあるとおり、全編に渡り様々なジャンルの厳選された本がずらり並んでいますが、本当にすごいのは、米谷万里さんの筆力であり、本への情熱だと思います。
この本に紹介されている「すごい本に打ちのめされるかどうか」は、読み手が、本に対してどれだけ真剣に向き合うことができるかに掛かっています。
こちらも↓
75位【ミステリー】探偵の探偵(双葉社)
若く美しく、そして強い女性探偵が主人公です。
訳あって、探偵の探偵となり、所属する探偵事務所で1人「対探偵課」を務めます。
本格探偵ものではありませんが、できるだけリアルに探偵業について書きつつ、エンターテイメント性豊かに描かれていますので、楽しく読めると思います。
74位【オカルト】師匠シリーズ:1師事 ウニ(双葉社)
霊感のある主人公とさらに霊感の強い師匠とその友人たち。いずれもこれ位が強く、霊感のある主人公がむしろ、なんだか普通に見えてくる不思議な世界観の中にある作品。
霊体験が中心となっている物語ですが、登場人物ひとりひとりに物語があって、好きな作品です。
73位【物語】図書室のキリギリス 竹内真 (双葉文庫)
友人のつてで、高校の図書室で「なんちゃって司書」を務めることになった主人公。
72位【物語】 リピート 乾くるみ (文春文庫)
リピートのタイトルのとおり、一定期間の時間をリピートする物語なのだけど、よーく考えて物語が構成されていて、タイムトラベル者が好きな方には、たまらない作品だと思う。
欲を言えば、もう一捻りあってもいいのかなと思ったりもするけど、一番綺麗な結末だったような気もする。
読み始めたら最後まで、一気読みしてしまう作品なので、時間があるときに読むことをオススメします。
71位【物語】図書館の神様 瀬尾まいこ(ちくま文庫)
この本の主人公は、高校時代の心の傷を、今も引きずる高校講師です。彼女は、なんとなく国語の講師になり、そして全く希望もしていなかった文学部の顧問になりました。
部員は一人。
おまけに不倫してたりと、全く教師らしからぬ彼女ですが、弟や生徒、そして不倫相手らの彼女への思いに包まれて、少しだけれど前進していきます。
地味でなんの変哲も無い毎日で、張り切りすぎない、頑張らない、とにかく成り行き、そんな青春がここにはあります。
詳しくはこちらを↓
70位【SF】マイナス・ゼロ 広瀬正 (集英社文庫)
この本は、「時に憑かれた作家」と呼ばれる所以とも思えるタイムマシンモチーフとした時間を題材としたSF作品です。
時間というと、過去から未来へと直線的なイメージで流れているように感じられる。
多くのタイムマシンが出てくる物語は、タイムマシンに乗って、直線的に未来へ行ったり、過去へ行ったりする。
この本は、時間に憑かれた著者だからこそ書けた作品だ。
私の感想はこちらを↓
60位ー69位
69位【小説】「くっすん大黒」町田康(文春文庫)
この本は、町田康さんのデビュー作だそうで、本当にいい意味で、あくまでもいい意味で、愚の骨頂とはこの本のことではないかと思いくらいの、突き抜けたくだらなさです。
嫁は逃げ、仕事なく、することないが酒は飲む主人公が、部屋にあった大黒を捨てに翻弄するという物語です。正確には、大黒を「捨ててこます」のです。
もし、この本を読むことがあったら、この本の中の混沌に何か哲学があるのかと探したりしない方がいいと思います。
何も考えたくない週末に一心不乱に読んでください。
68位【SF】「2001年宇宙の旅」アーサー C クラーク,伊藤典夫(早川書房)
「2001年宇宙の旅」は、映画版を担当したスタンリー・キューブリックとこの本の著者アーサーCクラークのアイデアをまとめて制作されたものです。
舞台となっている2001年が、現実にはもう過去でありながら、この本書かれた1968年には、近未来として描かれているところを踏まえつつ読むと面白いです。
科学をベースとしたSFという体系を取りつつ、ラストは幻想的というのもなんとも魅力です。
タイトルは知っているが読んでいないという方はぜひ。おすすめです。
本日記はこちら→2001年宇宙の旅 過ぎ去った近未来の世界を読む
67位【物語】首都崩壊 高嶋哲夫 (幻冬舎)
主人公の国土交通省キャリア官僚である彼は、東都大学地震研究所員の友人から、マグニチュード8クラスの東京直下型地震が大幅に早く発生する予測データを示していることを聞かされる。
加えて、アメリカ留学時代の親友からは、世界恐慌のレポートを見せられ、世界恐慌で儲けを企むヘッジファンドも動き出している。
主人公は、各省庁から集められたエリートとともに、日本政府の危機を回避するべく手段を模索していく。その手段として持ち出されたのが、主人公が留学中に書いたという首都移転の論文だった。
詳しくはこちらを↓
66位【ミステリー】福家警部補の再訪 大倉崇裕(創元推理文庫)
主人公は、捜査一課の警部補、警察官です。それも、女性で、やや間抜けな感じの、おっとり系キャラクターです。主人公の彼女には、拳銃はおろか、殴り合いとか、取っ組み合いもありません。彼女にあるのは、事実の積み重ねと小さなひらめきです。
この本では、ストーリーは、まず犯人が罪を犯すところから始まります。読み手は、犯人がわかった上で、福家警部補がジリジリと犯人に迫っていくところを楽しむ趣向です。
詳しくはこちらを↓65位【物語】狭小邸宅 新庄耕(集英社)
64位【海外ミステリー】「夜のフロスト」(創元推理文庫)
主人公は、刑事コロンボに似たさえないおじさんフロスト警部です。
舞台となっている警察署が忙しい慌ただしい、事件が多発して、主人公のフロスト警部がほとんど寝ないで動き回って、話がもうゴタゴタして、読んでるこっちも全然寝られないという作品です。
複数の事件がいい感じに絡み合って、気がついたら解けている不思議な本です。もしかして、1つぐらい解決してなくてももうわかんないかもと思います(わたしだけか)。
コロンボ刑事好きにはおすすめ!
本日記はこちら→
【順番まとめ】刑事コロンボもいいけれど、ジャック・フロスト警部シリーズも渋いですよね。
63位「ロスジェネの逆襲」池井戸潤(ダイヤモンド社)
「半沢直樹シリーズ」の第3作目です。大ヒットドラマの原作本で、世の成人男性の多くがこの本を読んでおられるのではないかと思います。
私は、このシリーズ本を上司(男性)から面白い本があると貸してもらったので、まあ、しかたなく読んでいたわけです。
私としては、唯一出てくる女性が「可愛くていい嫁」というのだけ、というのがどうしても気に食わない。こんな奴いねーよ!と、そういう嫉妬も掻き立てる作品です(私だけだと思うけど)。
62位【ミステリー】不連続の世界 恩田陸 (幻冬舎)
奥田陸さんは、ドラマ化もされた「六番目の小夜子(新潮文庫)」や、この「不連続の世界」同様、ホラーでありファンタジーというかミステリな作品を書いていおられます。
そうかと思えば、「夜のピクニック(新潮文庫)」という青春小説を書かれたり、「ドミノ 角川文庫」ではドミノ倒しのように事件が連鎖していくパニックコメディー書かれたりで、本当に多彩な才能を披露しておられます。
なかでもこの「不連続な世界」は、ミステリでありホラーかつ旅もあります!という盛りだくさんな短編5つがまとめられている本です。暗いところと明るいところ、ぞくっとするところと暖かいところの境目のない感じがとても好きでです。
61位【物語】「ガリヴァー旅行記」スウィフト(岩波文庫)
ガリヴァー旅行記というと、ガリヴァーが小人の国へ行く話と思っている方もおられるのではないでしょうか。
しかし、ラピュータなる空に浮かぶ国や日本にも訪れていますし、馬が支配し人間が奴隷となっている国にもたどり着きます。
この「ガリヴァー旅行記」の原作を大人になって読んでみると、小人の国・大人(巨人)の国に訪れたガリヴァーの姿でさえ全く違って見え、その他の訪れた国も含めて、自分の価値観を見直さずにいられません。
大人になって読む「ガリヴァー旅行記」はおすすめというか、大人こそ読んで欲しい本だと思います!
60位「ことばがひらかれるとき」竹内敏晴(ちくま文庫)
著者は、演出家であり、演劇的レッスンを元にした独自の「からだとことば」のワークショップを主催しておられた方です。
幼少期にから青年期にかけて耳が不自由であった著者は、耳が聞こえるようになった時、ことばを知っていて声が出せるということと、話して相手に声を届けるということとは異なることに気がついたそうです。
この本では、そういった経験を元に、コミュニケーションという軽々しいことばでは片付けられない、ことばと表現について深い見解を述べられており、人と人とのつながりを深く理解することのできる本です。おすすめです。
50位ー59位
59位 【物語】「イン・ザ・プール」精神科医伊良部シリーズ 奥田英朗(文藝春秋)
このドクター伊良部シリーズの魅力は、とても医者とは思えない、おバカな精神科医伊良部の無邪気さにあると思います。
主人公が精神科医ですから、登場する患者は、皆、現代社会につきものの心の病にかかった人たちです。むしろ医者のお前が病気なんじゃないの?と思わせ、なぜか患者を助けてしまう。社会への皮肉たっぷりなのに笑えます。そんな短編集です。
心が病気になってしまう人が多い、何かと世知辛いこの世も一緒に笑ってしまいましょう。おすすめです。
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58位【物語】人質の朗読会(中公文庫)
著者は、「博士の愛した数式 (新潮文庫)」を書いた方で、繊細な優しい物語を書かれる方です。
この「人質の朗読会」は、緊迫した状況下の中、人質たちがただ待つだけの時間を過ごそうと語る現実とも空想ともつかない一人一人の語りに、見張り役たちが耳を傾けるという物語です。
まあ、その設定が、本当にずるいなぁという感じがしないでもないが、いずれの物語も、それが登場人物の思い出の中の物語なのか、あるいは死を前にした幻想なのかよくわからなくなってきて、物語の中の物語に彷徨うことになります。痛々しいほどの切なさです。おすすめです。
本日記はこちら→
人質の朗読会 一人一人の物語に耳を傾ける あなたなら何を語るのか
57位【物語】「空白を満たしなさい」平野啓一郎(講談社)
この「空白を満たしなさい」は、著者が書いた「私とは何か 「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)」の中で示している「私」とは「文人」であるという見解をベースとし、一度死んだ人が生き返るという設定のもと、幸福とは何かを問う物語です。
私にとっては、文中の「どんなに幸せでも疲れる」は衝撃でした。
けれども、救われたような気もしました。幸福を追い求め、幸福にあっても疲れるというのは、真理だと思います。
この一冊をじっくり読むか、同系統の著書とまとめて読んで理解を深めるのがいいと思います。
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56位【解説本】「一日江戸人」杉浦日向子(新潮文庫)
この本は、漫画家としてデビュー以来、一貫して江戸風俗を題材にした作品を描いておられる著者が、江戸の風俗を紹介する江戸案内書です。
江戸の美人の基準、モテる男の職業(なんだと思います?)、同時流行った出版物、不良の服装などなど、江戸人の日常が紹介されています。中でも、歌舞伎役者がアイドルだったとか、江戸時代に流行ったSFの本があったとか、不良?な若者のちょんまげが細かったりとか、もうとにかく面白くって面白くって仕方ありません(単純に私が江戸時代が好きなせいかもしれませんが・・・)。
この本を読めば、江戸通間違いなしです。いつ江戸にタイムスリップしても大丈夫です。おすすめです!
私の感想はこちらを↓
55位【ミステリ】「死ねばいいのに」京極夏彦(講談社文庫)
この本は、内容を確かめることなく、タイトルだけで買った本です。
「死ねばいいのに」なんて言葉、タイトルにするなんてずるいと思います。
この本では、自宅で殺されたという阿左美という女について、その知り合いと名乗る男ケンヤが、彼女のことを教えて欲しいと尋ねるところから始まり、ケンヤと6人の登場人物とが語り合う6つの物語により成り立っています。
阿左美という女はどういう女だったのか、そしてケンヤは・・・。
結末へと引き込まれるようになっていますので、辛抱して読み進めてください。結末に乞うご期待です。
こちらも→死ねばいいのに って何回心で呟いた? 声にしたらこうなった
54位【エッセイ・哲学】「われ笑う、ゆえにわれあり」土屋賢二(文春文庫)
この本を書いているのは、哲学者土屋賢二さんです。
哲学者というと、いつも答えを探して鬱々としている、近寄りがたい人というイメージでした。
一方、著者の土屋賢二さんは、哲学者なのに(?)哲学することが、明るいほうに働いています。明るというか、笑える(笑ってほしい)哲学者なのです。
言葉あっての哲学ですから、この本は、言葉の扱い方を存分に楽しむのが一番の楽しみ方だと思います。 面白いかどうかは、あなた次第です。私は、面白かったよ。
こちらも→われ笑う、ゆえにわれあり わたしも笑う、ゆえに私も生きてる
53位【歴史小説】見知らぬ海へ 隆 慶一郎(講談社文庫)
時代小説はあまり好みではないが、この本はテンポも良く、物語の序盤で、泣かされたかと思うと、戦いの場の迫力には、不思議と爽快感があり、映画を観ているかのような作品だった。
なんというか、場面の一つ一つを描く、色使いが上手なんだろうなと思う。
52位【恋愛小説】「孤独な夜のココア」田辺聖子(新潮文庫)
田辺聖子さんの作品ですと、映画化のされたこの「ジョゼと虎と魚たち (角川文庫)」の方が親しみのある方も多いのではないかと思います。
私は、この「孤独な夜のココア」がおすすめです。なんといってもこのタイトルが、一番好きなんです。孤独な夜、静まり返りひんやりした夜に、寄り添うかのような甘く湯気を立てたココア。大げさかもしれませんが、これだけで救われるような気がします。
内容はというと、甘かったり、苦かったりの暖かな12編の恋愛物語からなります。あなたの心に響く恋の物語がきっと見つかると思います。
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孤独な夜のココア 両手で包むカップから立ち上る湯気を吸い込む ただいま恋愛準備中
51位【恋愛小説】「きらきらひかる」江國香織(新潮文庫)
恋愛は互いに傷つけたくてするものではないですが、気がつけば傷つけ傷ついてしまうもので、それはもう致し方ないことなのでしょう。
余計な味付けのない江國香織さんの書く恋愛小説は、ぎゅうぎゅう心が締め付けられるというより、切れ味のいい刃物でいつの間にか心をすっぱり切られちゃてるような、痛みが傷ついたことを知らせるようなそんな感じがします。
恋してる時がニュートラルな肉食系女子におすすめの本です。
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50位【社会派ミステリー】 雨に泣いてる 真山仁 (幻冬舎)
この本の著者は、企業買収を舞台にした「ハゲタカ」でデビューされた真山仁さんです。その真山仁さんが、巨大地震を舞台とする社会派ミステリーを書いたのがこの本です。
主人公の新聞記者は、物語は東京から被災地へと事実を追い求めて駆け回ります。その主人公は入社1年目に阪神大震災の取材を経験しているという設定です。
震災を舞台とすることの葛藤は、震災を記事にする記者の葛藤として描かれているようです。
新聞記者の冷静な目で追う殺人犯。他の新聞記者との攻防。
この本は、震災を背景にミステリーの要素を加えたことで、多くの方に、そして長く読んでもらえればと思っています。
40位−49位
49位【物語】「死神の精度」伊坂幸太郎(文春文庫)
この本の主人公は死神です。死神は対象者の前に現れ、一週間の調査を行い、結果を報告します。対象者は、死神が「可」と報告すれば八日目に死に、「見送り」と報告すれば死が先送りとなります。
とはいえ、調査と言っても特段何かするわけでもなく、だいたいが「可」と報告されるのが常々で、この本では、死神が調査の結果、「可」とするか「見送り」とするかは、あまり重要なことではないのです。
案外、読後感がさらりとしていて、いい本読んだなぁという感じ。おすすめです!
48位【物語】「老人と海」ヘミングウェイ(新潮文庫)
この本は、キューバの老いた漁師が4日に渡り巨大なカジキマグロとの死闘を繰り広げ手にしたものの、船に乗せることのできなかったカジキマグロはサメに食いちぎられてしまうという、まあその、簡単に言いすぎるとストーリーはこうなっちゃいます。
とはいえ男の人というのは、単純なストーリーの中でこそ表現される強さとひたむきな姿があるものなのですね。やはり男の人は仕事をしている姿が一番素敵なのかもしれません。
47位【青春記録】「どくとるマンボウ」北杜夫(新潮文庫)
この本は、著者の18歳のころの「バンカラ」と「カンゲキ」の旧制高校生活を綴った青春記です。
なんですかその「バンカラ」って、と思う方は、どうぞこの本を読んでください。これが「バンカラ」です。青春です。当時を知らない方でも、その生き生きとした若い姿を笑ってほしいと思います。
ちなみに「カンゲキ」も調べたのですがわかりませんでした。ぐぐったら「感謝カンゲキ雨嵐」と「秀樹カンゲキ」が出てきて諦めました(若い人にはわかんないだろうなぁ)。
46位【物語】「月なきみそらの天坊一座」井上ひさし(新潮文庫)
井上ひさしさんといえば、「ひょっこりひょうたん島」なのかな(歳を誤魔化したいわけではなくよく知らないので。)。
人形劇の原作が井上ひさしさんでした。
この「月なきみそらの天坊一座」は、終戦前後の混乱の中、マジシャンというかなんというか奇術師と名乗る天坊とその内妻の小浜に、孤児の浩志が加わり、この三人が天坊一座となって旅して回るお話です。
それだけか、というわれるとまあそれだけなんですが、奇術を生業とする三人が「」
こちらも→ 井上ひさしを読んで、心温まるのはこれだね
45位【物語】「五千回の生死」宮本輝(新潮文庫)
この本は、短編が9つ。どこかちょっと不思議で、やっぱり温かい感じのお話が並んでいます。大阪弁のせいでしょうか。
特に、タイトルにもなった「五千回の生死」が私は一番気に入っています。
このお話では、「死にとうなったり、生きとうなったり」する奴と俺が自転車に二人乗りで俺の自宅を目指します。その間に何度も「死にとうなったり、生きとうなったり」する奴。その度に自転車を降りる俺。
「死にとうなったり、生きとうなったり」する奴は、俺と一緒に現在進行形を生きることができたんじゃないかと思いました。
こちらも→五千回の生死 死を身近に感じられる人は、きっと生きられると思う
44位【物語】「あん」ドリアン助川(ポプラ社)
この本のタイトル「あん」は、餡子のあんです。 ちなみに粒あんです。
どこにでもいそうな、何もかも投げやりになっている主人公は、成り行きでどら焼き屋「どら春」を営んでいます。そこに70歳を過ぎた老婆の吉井さんがどらやきの「あん」作りのアルバイトを始めたことで、動き出す物語です。吉井さんはハンセン病でした。辛い過去を見せない吉井さんは、強くてあったかい人です。その吉井さんの作る「あん」に、主人公はさぞかし大きな勇気をもらったことでしょう。
心からあったかくなって誰かに会いたくなる、そんな本です。
43位【物語】青の炎 貴志祐介 (角川文庫)
この本の主人公は、高校生の男の子です。
母の元再婚相手から母と妹を守るため、殺人を企て、実行に移しました。いかにも高校生らしい殺人計画で。
この本は、ミステリーではなく、少年の中に芽生えた殺意という青い炎に、彼が包まれて燃えてしまうまでを描く、罪を殺してしまった少年の心を描く物語です。
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42位【物語】「銀の匙」中勘助(岩波文庫)
かの夏目漱石さんが「未曾有の秀作」として絶賛された名作であると知り、手に取りました。
子供の感情のままに表現された世界と、大人が見守る世界との両面の世界を細やかに表現されていて、子供と大人のどちらの立場からも自分を省みることのできる作品です。おすすめです。
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41位【ノンフィクション】「流れる星は生きている」藤原てい(中央公論新社)
この本は、浅田次郎さんの妻であり、藤原正彦さんの母である著者が満州から日本へと、子供3人を連れた脱出行を記録したもので、戦後空前の大ベストセラーとなった作品です。
戦争作品は苦手な私ですが、この本の中で生きて、生きて、生き抜く、誰からの同情も必要としていない著者の姿に圧倒され、戦争の悲しみよりむしろその強さに強く心が惹かれました。
私は歯を食いしばって最後まで読みました。おすすめです。
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流れる星は生きている 母は強し 私も強く生きるための何かが欲しい
40位 【物語】「ぼくは勉強ができない」山田詠美(文春文庫)
主人公の高校生秀美くんは、勉強ができません。しかし、サッカーをし、女性にはモテるし、年上の女性桃子さんとおつきあいしている。
この本では、そんな秀美くんが、高校生活の中で悩んだりなんやらすることが書かれておりまして、モテて、その上年上の女性とお付き合いまでしていて、一体なんの悩みがあるのか!と言いたい方もおられるでしょうが、そこはそれ。たぶん、この本が書かれた頃には、草食系男子なんていなかったんだろうなぁ。
女性が読むのにいいかもしれませんね。
30位ー39位
39位【ミステリ】「孤島パズル」有栖川有栖(東京創元社)
表紙を見てください。この本の舞台となる海に浮かぶ島を上から見たものです。
この海に浮かぶ孤島の形と、台風、殺人、迎えは来ない、無線は壊れるで、どこをとってっもミステリーの定番中の定番ですが、そこを著者がどう驚かせてくれるのか、ミステリ好きなら期待は膨らむでしょう。
この本は、複雑な心理背景や社会事情などはありません。あなたはただ、このトリックを解き明かし、それもパズルのピースをしっかりつないで一枚の絵を仕上げるように、事件の全体像を正確に見極めるのです。
こちらも→ パズルは完成図が予想できるだけではだめだ。きっちりはめてこそなのだ。
38位【ミステリ】蘆屋家の崩壊 津原泰水(筑摩eブックス)
主人公の猿渡を中心とした、なんとも形容しがたい摩訶不思議な短編集だ。
トンネルや狐、寄生虫など、聞けばそれなりに、結末も予想できようものだが、この本の物語はどれもその予想をはるかに超え、奇妙な方へぐるりと捻じ曲げて、絶妙な距離感で、読み手も前に結末をさらけ出す。
惹きつけられてやまない世界観がある。
37位【エッセイ】かわいい自分には旅をさせよ 浅田次郎(文春文庫)
この本の著者は、『地下鉄(メトロ)に乗って』『鉄道員』などで知られる小説家であり、日本ペンクラブ会長もされています。この本を読んで初めて知ったのですが、過去には、信念を持って陸上自衛隊に入隊されていたそうです。誠に失礼ながら、著者は、なかなかの頑固親父とみました。
ちょっと文体が堅い目なのですが、読み進めているうちに、心地よくなってくる素敵なエッセイです。
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36位【ミステリーSF】火葬国風景 海野一三 (創元推理文庫)
この本は、11の短編からなるのですが、探偵物の本格ミステリーあり、オカルトあり、黒々とした男女の増悪あり、SFありで、幅広いジャンルの作品が収められています。
どの物語も戦前の言葉使いで綴られていて、古典的ではありますが、今読んでも、惹きつけられる魅力に溢れています。
この時代だから書けた、ちょっとギョッとするお話もありますので、読み手の方で注意してください。
35位【ミステリー】名探偵なんか怖くない 西村京太郎(講談社文庫)
西村京太郎さんといえば、列車と時刻表が思い出されますが、この本は、名探偵4人が登場するミステリーです。
ポアロ、エラリークイーン、メグレ警部に、明智小五郎の4人とくれば、ミステリーファンならこの本を読まずにいられないと思います。
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34位【ミステリー】クリーピー 前川裕(光文社文庫)
この本の著者は、日本の小説家、文学者であり、法政大学国際文化学部教授であります。専門は比較文学、アメリカ文学なのだそうです。
33位【ミステリー】御手洗潔のダンス 島田荘司 (講談社文庫)
御手洗潔は探偵です。助手?の石岡と共に、数々の事件を解決し、その顛末を石岡が書き留めるという形で物語が綴られていきます。
御手洗と石岡はまるで日本のシャーロックホームズとワトスンのようです。
シャーロックホームズのファンであっても、きっと好きになる作品だと思います。
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32位【エッセイ】「春の数えかた」日高敏隆(新潮社文庫)
この本は動物行動学者によるエッセイです。小学生のころ「ドリトル先生シリーズ」を読んだことありませんか?
ドリトル先生は、動物と話せる名医ですが、日高先生は話せません(当たりまえか)。
とはいえ、動物たちへ向ける観察眼は暖かく敬愛に満ちていて、日高敏隆さんの本を読んだとき、「ああドリトル先生だ」と思いました。この「春の数えかた」は、そんな日高先生のエッセイ集です。
中でもタイトルになった「春の数えかた」はとても好きです。動物・虫、植物など、生き物たちは、どのようにして春を知るのかという問いに丁寧に答えておられて、すべての生き物が暖かな春を待ちわび、春の訪れと共に動き出すのが目に浮かんでくるような作品です。 四季のある日本にいてこそ描ける作品ですし、本当に暖かな気持ちになります。
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31位【ミステリ】「ヒトリシズカ」誉田哲也(双葉文庫)
この本は、ドラマ化された「ストロベリーナイト シーズン1 DVD-BOX」の著者である誉田哲也さんの本です。
ドラマが気に入って原作を読むっていうのは、どうも本読みとしては素直に従えない感じがありまして、やせ我慢して買ったのがこちらの「ヒトリシズカ」です。
この「ヒトリシズカ」は、主人公と思しき女が、見え隠れする中盤までは、その異様さに圧倒されます。ちょっと最終的な物語の着地が甘いような気もしますが、そこは、好みの問題でしょう。
こちらの「あなたが愛した記憶 (集英社文芸単行本)」も奇抜な設定でしたが、やや古典的な感じがしました。
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30位【ミステリ】「告白」湊かなえ(双葉社)
この「告白」は、なんかすごい新人作家が現れたという風の噂を聞きつけて、どれどれと手に取った作品でした。
中学校を舞台とし、女性教師の告白から始まるこの本は、「級友」、「犯人」、「犯人の家族」と、それぞれの語りで構成されていて、読むに従って、それぞれの語りが徐々に連携されて事件が明らかになっていきます。
場面の見せ方がうまくて、ストーリー展開に引き込まれるのもありますが、すべての登場人物が、それぞれの狂気に落ちるさまがしっかり書き込まれていて、このあたりが人気の秘密なのかなと思っています。
20位−29位
29位【ミステリ】《館シリーズ》「十角館の殺人」絢辻行人(講談社文庫)
この本は、綾辻行人さんのデビュー作であり、ファンに愛される館シリーズの始まりの書でもあります。
例えば、「水車館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫)」、「迷路館の殺人〈新装改訂版〉 「館」シリーズ (講談社文庫)」、「びっくり館の殺人 (講談社文庫)」など、いろんな館をモチーフにしておられます。
表題に目が行きがちですが、内容は、密室、トリック、著者を驚かせる結末など、本格ミステリというに相応しい作品でありつつ、ホラー的要素も含まれており、本を開くとともに、読み手は館の扉を開き、著者の世界へ踏み込む感じのワクワク感があります。
館シリーズは、ぜひこちらの第1作目から読みください。
28位【サスペンス】 「百舌の叫ぶ夜」百舌シリーズ 逢坂剛(集英社文庫)
この本は、言わずと知れた百舌シリーズです。私は、一連の流れで全シリーズ一気読みしましたので、6冊セットを貼ってみました。こんな大人買いもできるですのね。
私はTVドラマも見たのですが、「MOZU Season1 ~百舌の叫ぶ夜~ DVD-BOX」それはそれ、これはこれという感じで、本の方がお気に入りです。どうしてもエンターテインメント性が重視される感じがドラマにはあるので・・・。
結局、映画とか色々続いたようですが、どれも見ていません。
27位【ミステリ】「すべてがFになる THE PERFECT INSIDER S&M」 森博嗣(講談社)
私は、どうも理系男子の典型である冷静な主人公(男)がちょっと変わった助手的存在(女)を連れて回り事件を解決するパターンに弱いようで、この本も、まさにそういうパターンの本でして、すっかりハマってしまいました。
まあ、助手的存在がお嬢様系なので、嫉妬心からか馴染めない感は否めませんが、物語的にはこういうキャラクターが必要なのでしょう。
森博嗣さんはミステリだけでなく、「自分探しと楽しさについて (集英社新書)」という新書も書いておられて、実は私は、こちらの新書からミステリを読むようになりました。「孤独の価値」もおすすめです。どちらも硬くならずに、一人を捉えている感じがとても好きで、それで、著者の書くミステリも好きになったのかもしれません。
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26位【ミステリー】64(ロクヨン) 横山秀夫(文春文庫)
この本の主人公三上は、長年刑事を務めたD県警の強面の広報官です。
D県警で起きた誘拐事件は、解決されないまま14年が経ち、誘拐事件の被害者を警察庁長官が、誘拐事件の被害者家族を訪問するという。そのお膳立てを任された三上は、次第に長官訪問に隠された陰謀とD県警刑事部との対立に巻き込まれていく。
組織対組織の争いの中、組織に開けられた広報という窓に立つ三上。
この本は、上下巻に分かれていますが、重厚な造りとスピード感のある展開に、どんどん引き込まれていき、下巻は正に一気読みでした。
25位【エッセイ】言葉をください 新子の川柳エッセイ 時実新子 (文春文庫)
この本の著者は、川柳作家であり、エッセイストです。情熱的な川柳を書かれる方で、私の大好きな川柳作家さんです。
川柳大学として、作品の掲載と後進の育成は、著者が亡くなられた今も続いています。
この本を読めば、 新子さんの目に映る日常を、小さな一つ一つの言葉の連なりから感じとることができますし、日常を鋭く切り取った川柳を思う存分味わうこともできます。
24位【物語】「さがしもの」角田光代 (新潮文庫)
この「さがしもの」は、「本」をモチーフに描かれた9つの短編をまとめたものです。
「本」は紙に文字を閉じ込めて綴っただけのものではありますが、この「さがしもの」では、「本」を手に取る人、一人一人の物語が綴られており、いずれの物語からも「本」に向けられた角田光代さんの温かな愛情を感じます。
「さがしもの」では、本を読みながら、本を慈しむという幸せな時間を味わうことができます。おすすめです。
23位【ハードボイルド】「探偵はバーにいる」東直己(早川書房)
この本のタイトルは、映画のタイトルにもなったのでご存知の方も多いと思います。
しかし、実際の映画の原作はこのタイトルの本ではなく、第1作目が「バーにかかってきた電話 ススキノ探偵シリーズ」、「探偵はひとりぼっち ススキノ探偵シリーズ」なのです。
この本は、「ハードボイルド」なのだそうですが、一般的にイメージされる「ハードボイルド」とは異なり、派手すぎず、主人公が(いい意味で)かっこよすぎない。愛すべき主人公を読む本です。
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22位【ミステリ】「OUT」桐野夏生(講談社)
この本は、ごく普通の4人の主婦が、とあることから犯罪に手を染めるという、まあ簡単にいいすぎちゃうとこうなるんだけれども、それだけでは済まされない物語です。どんどん深みにはまる4人、それに伴い、私も引き込まれて一気読みしました。
桐野夏生さんが描く女性は、人を殺しても生き生きしていて、そういう意味でも好きな作品です。女性を偶像化しないところもやはり女性作家ならではなのでしょうか。
この他、映画化もされた「東京島 (新潮文庫)」の主人公の女1人、この女性もしたたかで強いです。男の人は、どう読むのかなと思ったりもします。
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21位【SF?】48億の妄想 筒井康隆 (芸術社)
この本は、1965年に書かれたものですが、現代社会を見事に予測していたかのようです。
メディア社会を皮肉ったこの作品は、現代社会を痛烈に批判するもののようにも受け取られます。
「時をかける少女」の繊細で切ない雰囲気の物語とは打って変わって、風刺的な作品も素晴らしいです。
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20位【物語】「ジーキル博士とハイド氏」R.L.スティーヴンスン(岩波文庫)
この本は、はっきりと読んだ記憶はなくても、なんとなく大体のストーリーはご存知の方が多いのではないでしょうか。
私は、この本を読み返すまで、単純にジーキル博士=いい人とハイド氏=悪い人という一人の人間が2元かする話だと思っていました。
しかし、そうではなく、ハイド氏は、確かにジーキル博士から悪の面だけを取り出した純然たる悪人でしたが、ジーキル博士はというと善悪併せ持った普通の人という構成で、純然たる善でははいジーキル博士の苦悩が描かれていました。
ストーリーを知ってるという方でも、ぜひ原作を読むことをおすすめしたいと思います。
10−19位
19位【物語】「シズコさん」佐野洋子(新潮文庫)
佐野洋子さんは、「100万回生きたねこ (講談社の創作絵本)」という絵本を書かれた方です。
この本は、妹強くたくましい母、どうしても母が嫌いな「私(主人公)」、家族に対し上っ面な妹の三人の女性の母娘関係を綴った物語です。
家族というものに特段興味がない、家族愛がどうのこうのとか甘ったるいのはうざいという方に、ぜひ読んでもらいたい作品です。
18位【ミステリ】 「氷菓」 米澤穂信(角川文庫)
著者の本は、独自の世界観があり、他にもおすすめしたい本がたくさんあります。
例えば、儚い羊たちの祝宴(新潮文庫)、追想五断章 (集英社文庫)です。
しかし、あえてこの「氷菓」を選びました。それはこの本が、私が著者にはまるきっかけになった本だからです。
この「氷菓」は、男子高校生を主人公とする古典部シリーズの第1作です。古典部というなかなか地味な設定ながら、言葉を愛する読書家ならばきっと好きになるシリーズだと思います。
あの最後の一言を読むためにこの本のすべてがある。おすすめです!
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17位【物語】「赤頭巾ちゃん気をつけて」庄司薫(新潮文庫)
この本は、第61回(昭和44年度上半期)に 芥川賞受賞を受賞されています。
舞台は1960年代ですので、若い方には馴染みにくい作品かもしれません。
一応、私も知らない年代であり、この物語の本当のところは理解できなかったのかもしれませんが、主人公の高校生薫君の1日を通して、我が身を振り返り、あるいは共感し、いつの時代も若いっていいなあと心温かくなる作品です。
先に紹介した「僕は勉強ができない」の主人公秀美くんは、勉強ができないがモテました。この本の薫くんは、モテるも何も幼馴染みの由美ちゃんに振り回されるばかりで、何もない1日を過ごします。
でも、派手なというか、凝ったというか、どぎつい設定の小説が多い中で、こういう作品は読み継がれてほしいなぁと思うのです。おすすめ!
本日記はこちら→赤頭巾ちゃん気をつけて 狼は赤頭巾ちゃんが好きでした
16位【怪談】「川端康成集 片腕 ー文豪怪談傑作選」川端康成(ちくま文庫)
川端康成さんといえば、「雪国 (新潮文庫 (か-1-1))」でしょうか、それとも、「伊豆の踊子 (集英社文庫)」でしょうか。しかし、私は、この「片腕」をおすすめします。
この「片腕」は、タイトルにもあるとおり怪談集でありまして、妖気を感じる作品ばかりを集めたまさに傑作集です。しかも、恋愛怪談集です。
「片腕」は、若い女の片腕を借りて持ち帰る男の話です。これが恋愛怪談というから読んでいて寒気が止まりません。暖かい部屋で読まれることをおすすめします。
全編に渡り、美しい風景が思い起こされるような繊細な表現で綴られた怪談話は、おどろおどろしくもあり、かつ、美しく感じるから不思議です。おすすめです。
15位【SF】「果しなき流れの果に」小松左京(ハルキ文庫)
いつの間にかSF作品というと、本で読むより、映画で見ることが多くなりました。
私は、小説の中に描かれた未来の方が、隅々まではっきり見せないことで、未知の世界観を作り出し、得体の知れない未来を見せてくれると思っています。
この本は、著者の素晴らしい表現力の元、あらゆる時、あらゆる場所が読み手の想像をかき立てるように、力強く描かれています。ストーリー展開も素晴らしいです。
映画もいいけどSF小説もどうぞ!
こちらも→果しなき流れの果に 時間と空間を自在に操る著者の筆力に酔う
14位【ミステリ】「手紙」東野圭吾(文春文庫)
東野圭吾さんの作品は、私にとっては、どうも登場人物の動きが、彼が書く公式に当てはめられた登場人物が機械的に動いているだけのような気がしてしまうのですが、ただ彼が書く公式の流れの美しさというか、公式を説く楽しさがあり、結果として、いやよいやよも好きのうちで定期的に手に取ってしまいます。
ドラマの原作からでも手に取って読んでみませんか?
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13位【ミステリ】「証明」松本清張(文春文庫)
松本清張さんは、1953年に『「或る「小倉日記」伝』で芥川賞を受賞し、以後しばらくは歴史小説・現代小説の短編などを書かれていたそうですが、2時間ドラマ好きの私としては、はずせないミステリ作家さんです。
というとファンの方に叱られそうですが、本を読まない方でも、松本清張さんの書かれた作品が原作となったドラマで一度は目にしていると思います。
そういう意味でも、本当に広く多くの方に知られ愛されてる作家さんだと思います。
松本清張さんの作品は、単なる社会派ミステリーというにとどまらず、人間の本質をもあぶり出す作品ばかりです。
この「証明」は短編集であり、私はいくつかTVドラマで見ていましたが、やっぱり本で読むほうがずっと良いです。おすすめ!
12位【SF・ショートショート】「ボッコちゃん」星新一(新潮社)
SF・ショートショートといえば、もちろん星新一さんです。
ほんの数ページでアッと言わせるオチに出会えます。
ただまあ、著者の本は、たくさん読んでいて、どれがどれだかわからなくなっているというのが正直なところですので、一番有名どころの「ボッコちゃん」をおすすめします。
この一冊に、ショートショート50編が詰まっています!ちょっとした時間を使ってささっと読めて、いい気分転換になりますよ!
11位【物語】「家守綺譚」梨木香歩(新潮文庫)
梨木香歩さんは、映画化もされた「西の魔女が死んだ (新潮文庫)」を書かれた方です。「西の魔女が死んだ」もすごく泣けるおすすめな本なのですが、私は、梨木香歩さんが書く自然に包まれるこの「家守綺譚」をおすすめします。
この本は、亡くなった友人の家守をすることになった主人公が、ゆっくりと時間を過ごし身の回りに起きる不思議なことを優しく綴る物語です。
この本では、四季がゆっくりと流れ、日本に生まれて本当に良かったと思える。優しく心静まりつつ、読む本です。
このほか、梨木香歩さんの自然に向けられた眼差しを感じられる「春になったら苺を摘みに (新潮文庫)」、「渡りの足跡 (新潮文庫)」もおすすめです。
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10位【ミステリ】「少年探偵シリーズ(1) 怪人二十面相」江戸川乱歩(ポプラ社)
江戸川乱歩さんの本は、本当に素敵な本がたくさんありますが、なんといっても少年探偵シリーズでしょう。いかにも昭和な表紙が、なんとも言えないいい雰囲気を醸し出しています。
多くの方が、小さい頃に、この本と出会い、胸をわくわくさせて読み、江戸川乱歩ファンとなったのではないかと思います。私がそうでした。
大人になってからは、「江戸川乱歩傑作選」でもう一度思い出し、「孤島の鬼」なども読みました。大人買いしたいシリーズです。
こちらも→孤島の鬼 この世界に浸れる時間を確保してからお読みください。
1−9位
9位【ファンタジー】「太陽の塔」森見登美彦(新潮文庫)
この本は、本の紹介にも、「すべての失恋男たちに捧ぐ、爆笑妄想青春巨編in京都」とあるとおり、妄想もここまで膨らめば、立派なファンタジー長編となるようで、まあ、くだらないと言ったらそれまでなのですが、とにかく面白いという意味では素晴らしい本です。
とにもかくにも、世の(もてない)男性諸氏は、差はあれど、妄想世界の中に暮らしているのだと驚くやら可笑しいやら。私としては、いつかジョニーがご活躍されることを祈るばかりです(すいません。読んだ人にしか分からないネタです)。
一方で、著者は、同じく京都を舞台にした「きつねのはなし (新潮文庫)」という、京の町に漂う闇、そしてそこに潜む魔を表現した作品も書かれていて、妄想ばかりが森見登美彦さんの魅力ではありません。
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8位【SF】「アルジャーノンに花束を」ダニエルキイス(早川書房)
この本は、幼児の知能しかない主人公チャーリィが、科学的な実験の上で、チャーリィは知能を得るその過程を描いた物語で、SF小説です。私は、SF作品ではなく、心を描いた本だと思っていました。
というのも、チャーリィは結局、実験に失敗し、もとの幼児に戻ってしまうからです。急激に失われる知能とチャーリィの苦悩。
繊細に描かれた経緯を是非、読んで人とは何かを考えて欲しいなぁと思います。
この本も良かったです↓
24人のビリー・ミリガン〔新版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
7位【ファンタジー】「ふたり」赤川次郎(新潮文庫)
赤川次郎さんの本は、私が一緒に青春を過ごした本なのですー。
赤川次郎さんの作人には、「セーラー服と機関銃<セーラー服と機関銃> (角川文庫)」など、たくさんの本が映画化されていますし、
三毛猫ホームズの推理<「三毛猫ホームズ」シリーズ> (角川文庫)
霊感バスガイドシリーズ神隠し三人娘 怪異名所巡り (集英社文庫)などなどドラマ化されたシリーズもたくさんあります。
おすすめしたい本はたくさんありますが、泣ける本を選んでみました。
6位【物語】「箱男」安部公房(新潮文庫)
「箱男」は、段ボール箱を頭にかぶっている男 であり、この物語の主人公なのです。偽の箱男も出てきます。実に難解です。
ともかく、この本を読むに当たり、何のために箱を被っているのなんか気にしてはいけません。あなたもこうなったら、箱ののぞき穴から覗き込むようにして、安部公房の世界を覗き見てください。
読書の時間は思い切り現実から離れるというのもいいと思うのです。
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5位【物語】「悪童日記」アゴタクリストフ(早川書房)
この作品は、アゴダ・クリストフさんのデビュー作であり、続編に「ふたりの証拠」、「第三の嘘」があります。
この本は、戦争が激しくなる中、おばあちゃんのもとへ疎開した双子の兄弟の「ぼくら」が書く手記という形で書かれています。
「悪童」というと「いたずらっ子」という意味かと思いますが、本を読めば、「ぼくら」を示すであろう「悪童」は、その意味より「悪」という文字に想いを込めて使われ、タイトルになったのではないかと思えてきます。
だがしかし、全編を通じて、根底にあるのは、「愛」であると私は思っています。
「悪」とは強い「愛」かもしれないと思うのです。
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4位【ミステリ】「暗いところで待ち合わせ」乙一(幻冬舎)
すいません。乙一好きすぎます。好きなんです。なので4位です。
乙一さんの作品は猟奇的なシーンも多く、なかなかの衝撃があります。血はダメという人はやめておいた方がいいかもしれません。しかし、単なる猟奇ものとは異なり、流れる血の暖かさのようなものを感じるのです。
一般的におすすめしても良さそうな、怖くないし、血も出ない、「暗いところで待ち合わせ」をおすすめすることにしました!
殺人犯として追われる主人公アキヒロが、視力のない女性ミチルと彼女の家に逃げ込んだ。そうして始まる奇妙な同居生活・・。あとは読んでください!
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3位【物語】 「沈黙」遠藤周作(新潮社)
遠藤周作さんといえば、「白い人・黄色い人」で芥川賞を受賞されている大変有名な作家さんです。なかでも、この「沈黙」は私のおすすめです。
この本は、キリシタン禁制の厳しい日本を舞台とした「神の存在を問う」作品です。
キリシタン禁制というと「踏み絵」が思い出されますが、この本では、日本人信徒たちには残忍な拷問が繰り返されます。あなたは、この本の主人公ポルトガル人司祭ロドリゴとともに、日本人信徒が拷問により発するうめき声に苦悩し、その声がもう耳から離れなくなることでしょう。
ときに、こういう本を読み、深く悩むのもいいと思います。
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2位【物語】「カラマーゾフの兄弟」ドフトエフスキー(光文社古典新訳文庫)
オススメするには、重たい作品かなぁと思いましたが、私にとっては、かなり衝撃的な作品だっただけに、どうしても外せない作品でしたので、堂々の2位にランクインいたしました。
カラマーゾフの兄弟は男3兄弟でありまして、それに父を加えた4人の登場人物のキャラが濃く、その説明やらなんやらで、前半がとにかくくどい、暑苦しい、やたら長い。
この本を読むと、この本のために、正に修行のような時間を時間を過ごすことになります。しかし、その読後感には、並々ならぬ感動が待ち受けております。
ちょっととっつきにくいかもしれませんが、お時間のあるときに、ぜひ手にとっていただきたい作品です。おすすめ!
読んでみたいけどちょっと・・・という方はまずかここから↓
1位【ミステリ】「カーテン」アガサ・クリスティー(クリスティー文庫)
ど定番ですいません。アガサ・クリスティーは学生時代に読み漁った本です。
父が揃えていたシリーズを引き継ぎ、結局、私が全部集めて、部屋にズラーッと並べてほくそ笑んでいたのを思い出します。
私は、ポアロファンでもありますので、あえてポアロ最後の事件をおすすめ本に選びました。でも、この本を読むのは、他のポアロ作品を読み終えてからの方が良いですね。最後の最後におすすめ失敗しましたぁー。
あなたの好きなアガサクリスティ作品を探してみてください。
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最後に
ここまで読んでくださってどうもありがとうございました。
本当に私の主観で選んだ本なので、なんでこの本がこんな順位に?なんであの本が入っていないのだ?というご感想もあろうかと思います。
このランキングはあくまでの私の主観で選んでおりますので、どうかご了承ください。
このランキングは、今後も、私が本を読むたびに、随時、おすすめの本を入れ替えていきたいと思っておりますので、あなたのおすすめの本に私が出会い、いつかここに掲載されることを楽しみに待っていてください。
それでは、楽しい読書ライフを!
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