ときどき旅に出るカフェ 近藤史恵(双葉社)
この本書いたのどんな人
調べてみたら、著者は、探偵物、捕物帳、女清掃員探偵、警察もの、自転車レースを舞台にしたスポーツ小説、ビストロを舞台にした物語や、ゲームのノベライズまで、いろんなジャンルの作品を書いておられました。
幅広いジャンルの作品が書けるなんて、ほんと著者の見識の広さには感服いたしました。
内容
職場と家の往復の毎日を過ごす主人公は、ある日ふらりとカフェに立ち寄ります。
そのカフェの店主は、偶然にも、主人公の職場の後輩だった女性でした。
旅をテーマにしたそのカフェでは、月の初めの数日をお休みにして、世界各国の旅先で見つけた美味しい飲み物やお菓子をカフェで提供しています。そこは、一口お菓子を頬張ると、遠い異国を思わせ、心身ともに解放されるような、そんな素敵なカフェでした。
この本の物語は、主人公、店主そしてカフェに集まる人々の日常を描いた美味しいお菓子を食べたりするだけのほっこりした物語かと思いきや、ちょっとした謎解きもあり、楽しい作品です。
私の感想
ああ、こんなカフェがあったら行きたいなぁ。
そして、こんなふうに旅したり、カフェでお料理やお菓子を作ったりしたいなぁ。
この本を読んで、同じような感想を抱いた女性は、たくさんいるんじゃないかなと思う。
それは、「気持ちのいいカフェで息抜きしたい。」、「ふっと立ち寄れる場所が欲しい。」、「旅がしたい。」、「自由に生きたい。」などなど、いろんな思いからだろう。
とかく日常は、あまりに殺伐としていて、癒されたい女性は多いのではなかろうか。
この本では、読み手の方も知らぬ間にこのカフェの常連となって、足繁くカフェに通うことになり、十分な癒し効果がある。
そして、何やら聞いたこともないお菓子や飲み物が登場し、読書家の知的好奇心もくすぐる。
その上、ちょっとした事件や謎解きもあって、楽しい。
とにかく一石三鳥くらいのお得感のある本だ。
*美味しい物語集めました
* オススメの本あります