『人間はどこまで動物か』日高敏隆
先日、友人に誘われるままに旅に出た。
旅のお供に、ゴロゴロをつれて出てみたら、ゴロゴロのポケットから、お気に入りのブックカバーと共に、この本が出てきた。
動物か
きっとずっと前の旅につれてって、そのまんまになり、ポケットの中で私に見つけてもらうのを待ってたんだろうな。
冬眠してたのかな?
久しぶりの日高さんの本を読み進めていくと、なんだか春が来たみたい。
いやその、今ちょうど春なんだけど、そういうことでなくて、本に書いてあるのも、春のことだけじゃなくって、花が咲いて、草が茂り、夏がきて蝉がなき、鳥がいて、冬になり草が枯れ、そしていつしかまた春になってって、ぐるーっと書いてあるんだけど、
この本を読んでいると、あったかい日差しに、体が温められ、心まであったかくなって、あぁ春なんだな、って冬から解放される瞬間に似た感覚が、私を包んでくれるよな、そんな感じになってくる。
今年、ちょうどあったかい日差しが私を包む頃、私はずっと下ばかり向いていて、少し痩せた。
桜もろくに見ることもなく、散ってしまっていた。
季節は進んで、もうすっかり緑鮮やかな春だけど、私は、芽吹く春からやり直し。
人間はどこまで動物か
そんな奢りきった愚問に、答えがあるなんて思ってた私が、なんだか馬鹿みたい。
明日も晴れるかな。
明日は咲いている花を探して、春の中を歩こう。
この本と共にこの曲をどうぞ