探偵はバーにいる 東直己
探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA) | ||||
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この本、Amazon様をふらついていて 、同名の「探偵はバーにいる」という映画を見て、いつか原作本を読みたいなぁと思っていたのを思い出し、ついポチッとやった本です。
読んでみてわかったことなのですが、この本のタイトルって、映画のタイトルとなっていますが、映画の原作本となっているのは、同じくススキノ探偵シリーズの「バーにかかってきた電話 ススキノ探偵シリーズ」(シリーズ2作目)でした。
うーむ。騙された様な気がしないでもないような・・・
ちなみに、映画化第2弾「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点 通常版 [DVD]」は、「探偵はひとりぼっち ススキノ探偵シリーズ」です。
とはいえ、このススキノ探偵シリーズ、結構はまってしまいました。
このススキノ探偵シリーズは、ススキノの便利屋の俺が、人助けが高じて、結局やっぱり事件に巻き込まれていくというハードボイルドものなのです。
当然のことながら、ススキノの便利屋の俺が、007のジェームス・ボンドのように大活躍するわけではなく、もちろんやや地味目です。
しかし、地味でありながらも、主人公の俺はやっぱりハードボイルドだねと頷ける男臭さ満載に暴れます。殴られた痛みが伝わってくるような書きぶりがとてもいいんだと思います。
出てくる登場人物も毎回、皆揃いも揃って、どうしようもない奴ばっかりです。ですが、憎めない奴ばっかりです。
シリーズを順に読んでいくと、ススキノの街が変わっても変わらない俺と、ちょっと太った中年の俺にも愛着がわき、ますます面白くなりますよ。
ススキの探偵シリーズの順番のまとめも作りましたので、これから読む方はご参考に!
ススキノ探偵シリーズ順番 まとめー
第1作目 探偵はバーにいる
探偵はバーにいる (ハヤカワ文庫JA) | ||||
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当たり前ですが、主人公の俺が若いです。
大学の後輩の大学生から帰ってこない彼女探しを頼まれて、事件に巻き込まれます。
見つけた彼女が、まったく・・・。
第2作目
バーにかかってきた電話 (ハヤカワ文庫JA) | ||||
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著書では2作目ですが、映画の第1作目の原作本です。
顔も知らない電話だけの依頼者の女に、引っ掻き回される俺。このシリーズ一番の切ないお話です。
第3作目 消えた少年
消えた少年 (ハヤカワ文庫JA) | ||||
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たった一人の少年を助ける。そんなことがなんでこんなことに? という、いつもの巻き込まれ型ですが、助ける相手が少年というところにちょっとした希望と、担任教師の春子の登場が、このシリーズをまた好きにしてくれます。
第4作目 向う端に座った男
向う端にすわった男 (ハヤカワ文庫JA) | ||||
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5作を集めた短編集です。このシリーズの中では、唯一、ちょっとほっこりしてしまう作品もあり、このシリーズで外せない作品です。
第5作目
探偵はひとりぼっち (ハヤカワ文庫 JA (681)) | ||||
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こちらが映画の第2作目の原作本です。
映画に出ていたおかま役のガレッジセールのゴリが目に焼き付いて離れません。映画を見てからでも、十分楽しめる本です。
第6作目
探偵は吹雪の果てに (ハヤカワ文庫 JA) | ||||
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探偵の俺はもう45歳に。
第7作目
駆けてきた少女―ススキノ探偵シリーズ (ハヤカワ文庫JA) | ||||
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小さい話から大きな渦に巻き込まれていく、そうして暴れまわっても、ススキノは今日も昨日と同じか。街に飲まれるんだな、なんて思う。
第8作目
ライト・グッドバイ―ススキノ探偵シリーズ (ハヤカワ文庫JA) | ||||
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この作品は、 やりきれない作品でした。ずっとここまで主人公を追い続けてきて、愛着ある俺だからこそ、感じる切なさみたいな物があります。
第9作目
探偵、暁に走る―ススキノ探偵シリーズ (ハヤカワ文庫JA) | ||||
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このシリーズ一番の危機が俺に迫る! 友のために走り、主人公の俺は、友に助けられる。ちょっと太ったおじさんの俺はますます魅力的に!
第10作目
旧友は春に帰る (ハヤカワ文庫JA) | ||||
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第1作目に登場していたモンローが登場!騙すお前が悪いのか、騙された俺がバカなのか。信じて走る主人公の俺なのです。
第11作目
半端者(はんぱもん)―ススキノ探偵シリーズ (ハヤカワ文庫JA) | ||||
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唯一、このシリーズので読んでない本。このシリーズ第1作目のその前のお話です。
なんとなく後出しというか、エピソード0(ゼロ)的な感じがして、未だ手を出せずにいます。
第12作目
猫は忘れない (ハヤカワ・ミステリワールド) | ||||
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猫好きの私としては、そういう意味でも好きな作品。でも猫ちゃんがお話の鍵を握ってて、ちょっと複雑でもある。
いい年の取り方をしている主人公にも会えます。
この本と共にこの曲をどうぞ