人質となった人たちは、全員が死亡。
まずは、本の冒頭で、著者によってこのような設定が示される。
そうしておいて、その人質の一人一人がそれぞれ書いた物語の朗読が始まる。
その一人一人の物語を集めたのが、この本だ。
実は、私、
すごく感動するとか、ぐっとくるとか、
感情を無理に上げ下げするようなの、そういうのちょっと苦手。
その点、この本はどこまでも優しい。私の心に優しい。
物語の世界で、ときどきはっとしたり、しんみりしたりながら、
じわじわと、ひたひたと心に染み渡るように、優しく甘く、
私と違う誰かの心と、つながれる感じがした。
こういう文章が書けたらいいのにと思う。
こんなふうに静かな、優しい文章が書けたら、どんなに安らかだろう。
ほんとはね、もし私が書くとしたら、どんな物語を書こうかなって考えてみた。
タイトルは決めたけど、教えない。
いつかここに、私の物語も書けるといいなと思いながら、
今日は眠りたいと思う。
追記
著者の本はこんな本も読んでいます。
切ない本は思っ切り切ないラブソングと共に