青の炎 貴志祐介 (角川文庫)
この本書いた人どんな人
小説家であり、SF作家クラブの会員でもあります。
著者の作品の中では、1997年に第4回日本ホラー小説大賞を受賞された「黒い家」、2010年に第1回山田風太郎賞を受賞された「悪の教典」が印象的です。
著者の作品は、物語が怖い上に、心理描写が繊細で、読み進めるごとに怖さがしみてくるようです。
著者は、かなりの読書家でもあったようです。
著者のお気に入りの本が読みたいです。
内容は
この本の主人公秀一は、高校生の男の子です。
母と妹の3人暮らしのはずでしたが、母の元再婚相手が彼らの家に上がり込み、住み着いていました。
その元再婚相手は、酒を飲み、働きもせず、母から金をせびってブラブラと母子3人の暮らしを暗いものに変えていきます。
秀一は、母と妹を守るべく、母の元再婚相手を殺害した。
そうして高校生殺人者の秀一は、深い暗闇に包まれていく。
主人公を二宮和也さんが演じて、映画化もされました。
私の感想
この本は、未成年の主人公が完全犯罪に挑むとのことで、ミステリーでありながら文学てきであることを期待しつつ、Kindleの20%ポイント還元セールで入手した本です。
高校生が主人公ですので、犯罪の計画は稚拙ですし、殺人の実行も失敗だらけです。ミステリー好きの方には、読んでいて何やってるんだよ的な箇所がいくつもあります。
それは著者があえて、犯罪の全てを高校生らしく描いているせいで、ミステリーとしての欠陥とは異なります。
むしろ、より一層、主人公の少年らしさが読み手に伝わってきます。
そのせいで、読み進めるうちに、犯罪者としての彼を応援するような気持ちになってきてしまいました。
それにしても、この本、普通の高校生が人を殺したら?というところから、スタートしているんだろうなぁと思う。
いろんなところが普通っぽい。
でもそれなら、終わりが、綺麗すぎる。
普通の高校生は、こんなに綺麗には終われない、と思うんだけどな。
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