クリーピー 前川裕(光文社文庫)
この本書いた人どんな人
(前川裕 - Wikipediaより)
内容は
私の感想
この本は、映画の予告編を見て、直ちにAmazonで購入しました。
映画には、いいキャストが揃っていたので、きっと原作もいい作品に違いないという予感がしたのです。
さて、この本、内容にもあるとおり、隣人が入れ替わっているかも的なお話ではあるのですが、それだけではないんですよねー。
「あの人は父親じゃない。」というセリフが衝撃的で、
隣の人どうなった?確かに、隣のお父さんが入れ替わって違うおじさんになってたってわからないかも・・と思い始めて、恐怖が現実味を帯びて迫ってきます。
話はそれでは終わりません。隣人は以前にも成りすましを行っていた殺人犯かもしれない。悪を人の形にしたような人間なのかもしれないのです。
そうしておいて、ラストは意外な結末にたどり着きました。
この本を読む前に、笑いに関する本を読んでいました。
その本では、
笑わせるためには、オチは思いがけないほうがいい。
とし、
ミスリードによって生まれる点線と実践との落差が落ちを可能にするわけで、オチそのものが必ずしも面白かったり可笑しかったりする必要はない
と書かれていました。
この本では、非常に素晴らしいミスリードが行われています。
いやもう、すぐ騙される人の代表みたいな私は、著者が示した標識に導かれて、著者の思うように結末まで突き進んでしまいました。
そのおかげで、オチを楽しむことができました。
この本は、迫る恐怖に怯えつつ、結末は暖かく柔らかに。
映画にもマッチしていますし、映画の方も期待できそう。
*おすすめの本あります