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本を読んで社会をのぞき見

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首都は生まれ変わる あなたにもきっと新しい首都が見える

小説 小説-物語

首都崩壊 高嶋哲夫 (幻冬舎) 

 

この本書いたのどんな人

この本を書いたのは、日本原子力研究員を務めた経験を持つ小説家さんです。 研究員を務めた後は、学習塾も経営していたそうです。

そんな経歴でありながら、作家としてデビューし、数々の賞を受賞されています。

1999年、『イントゥルーダー』で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞をダブル受賞し、本格的に作家デビューする、『風をつかまえて』が第56回青少年読書感想文全国コンクール課題図書(高等学校の部)に選定された。

高嶋哲夫 - Wikipediaより)

 

作品の多くは、理系の作家らしい科学的考察を駆使されたものであり、読み進めていくうちに、著者の描く世界が現実の世界と混同してしまうほどです。

 

とはいえ、著者のオフィシャルページを覗いてみたら、なんだか柔らかな印象の記事を書いておられた。

理系男子にも色々なタイプがおられるようです。

詳しくはこちらを↓

takashimatetsuo.jimdo.com

 

 

内容

ことは、地震予知から始まる。

主人公の国土交通省キャリア官僚である彼は、東都大学地震研究所員の友人から、マグニチュード8クラスの東京直下型地震が大幅に早く発生する予測データを示していることを聞かされたのだ。

大統領特使となったアメリカ留学時代の親友からは、東京直下型地震が端を発し、世界恐慌を引き起こすレポートを見せられる。

この世界恐慌に乗じて、儲けを企むヘッジファンドも動き出している。

主人公は、各省庁から集められたエリートとともに、日本政府の危機を回避するべく手段を模索していく。

その手段として持ち出されたのが、主人公が留学中に書いたという首都移転の論文だった。 

 

私の感想 

「首都崩壊」というタイトルと、日本地図の表紙を見ていると、首都東京がガラガラと崩れていくようなイメージが湧いてくる。

 

ところが、この本は、そんなパニック系の物語ではない。

 

この本は、非常にスマートな物語だ。

頭の切れる官僚たち、頭の切れる人にはやはり頭の切れる友人や官僚仲間、科学者がいて、たくさんの人々の頭脳や知識に、野望溢れる政治家や素晴らしい才能の建築家が繋がっていく。

 

精巧に組み上げられたパズルのように、登場人物のそれぞれが役割を果たし、美しい首都を作り上げていく。

 

ラストには、読み手それぞれの理想の新首都が目の前に広がるような感覚を味わうことができるだろう。

 

その美しさ故に、物語全体が、上手く出来すぎているという気がしないでもない。

その辺りは、理系男子である著者の論理的思考の結果なのかもしれない。

あるいは、日本の未来について、著者が示す一つの希望なのかもしれないと思う。

 

 

 *おすすめの本リストあります

tetuneco.hatenablog.com