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単純な脳から、複雑な「私」へと迫る。心の構造化に触れる書

単純な脳、複雑な「私」 池谷裕二

この本は、現役脳研究者である著者が、

その利点を最大限に生かして行った講義をまとめた本です。


講義内容は、

人は何を根拠にものごとを決断するのか。
過去の記憶にはどんな意味があるのか。
特定の異性を好きになってしまうのはなぜか。
赤色はなぜ赤色に見えなければいけないのか。
現実と夢を区別できるのはなぜか・・・。


といった、日常的な疑問をテーマにするものであり、

心を「意識と無意識を含めた脳の作用全般」といった広い意味で捉えたうえで、

「心の構造化」を行なっていきます。



難しそうに思えますが、講義の対象が高校生とあって、

様々な疑問に科学的な観点からせまりつつ、実験結果を踏まえて、楽しく解説されていますので、

脳とか、科学とか、はたまた哲学的なことは苦手という方にも、

心について知る、お勧めの1冊です。



この本は、どこもかしこも面白いのですが、

私が、特に面白いなと思った点は2点。


1 私たちは、意識的に生きているようで、無意識の部分におおいに操られているということ

2 私たちは、自分の出力(行動、感情)を元に、自分を分析していること




この本を読んで、

もしかすると、私って無意識の部分が人より広いのかな?と思う。

そう思って自分を見ると、なんとなく自分自身に合点がいくのです。

というのも、

私は、自分でも思いもよらない出力をして、

時に自分自身を驚かせることがあるのです。



たぶん、私は「無意識の部分におおいに操られている」というか、

ほとんど自分を意識しておらず、ただ、無意識の部分に自分自身を任せておいて、

予測のできない出力を楽しんでいるのかも。



心って、なんだろ?どこにあるんだろ?なんて、不思議だけれど、

この本を読むと、どうやら、心は脳の働きだけでもないし、

体のどこというより、むしろ身体全体が心みたい。




気が付いたら走り出してる私。


身体が私に私とはなんたるかを教えてくれていると思えば、

自分探しなんて、意味ないことはさっぱりやめて、

自分を信じて、これからも走っていこう。

追記

著者の本は、こんな本も読んでる
tetuneco.hatenablog.com

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