語彙力を鍛える 量と質を高めるトレーニング 石黒圭(光文社新書)
この本書いたのどんな人
この本を書いたのは、
日本の言語学者日本語学者。国立国語研究所教授、一橋大学大学院言語社会研究科連携教授。
研究分野は文章論・読解研究・作文研究など。
(石黒圭 - Wikipediaより)
をしておられて、文章表現に関する本を多数書いておられます。
著者の研究室のサイトでは、
難しい文章を速く正確に読めるようになりたい。
頭にある思いや考えを的確に書けるようになりたい。
人の話に真剣に耳を傾けられるようになりたい。
人の心に届く話ができるようになりたい 。
そんな思いを持つ人を応援したいと考え、日々試行錯誤している日本語研究者のページです。
(石黒圭研究室より)
とありました。
内容
この本では、語彙とは何かから始まり、
語彙力 = 語彙の量(豊富な語彙知識)×語彙の質(精度の高い語彙運用)
として、
語彙の質を上げるには、基本的には、類義語、対義語、上位語・下位語などの言葉と言葉の関連や、語種・文字種・書き言葉・専門用語・方言などの言葉の種類、あとは文脈などから、言葉の種類を増やしていく必要がある。
そして、語彙の質を上げるには、言葉の使うべき時と場所と相手に合わせた言葉を、適切に選び出せるように訓練する必要がある。
この本では、そのための11の語彙の「量」を増やす方法、そして11の語彙の「質」を高める方法を解く。
私の感想
人様に読んでいただくことを前提として、ブログを書いている以上は、恥ずかしくない語彙力で、文章を書いていきたい。
そのためには語彙の量も質も、私にはまだまだ足りない。
以前、同著の『「接続詞」の技術』という本を読んで、文章を書くにおいて、とても参考にしていることもあって、「語彙力を鍛える」というタイトルを見てすぐさま、私が求めているのはこの本だ!とばかりに飛びついた。
『「接続詞」の技術』の感想はこちら↓
さてこの本、日本語研究の専門家によって、たくさんの例を示しつつ語彙力を鍛えるにはどうしたらいいのかということを、著者の語彙力を駆使して丁寧に解説していくものだ。
この本を読むだけで、豊富な語彙を感じ、日本語を楽しむことができる。
しかし、この本を読むには、それなりの語彙力が必要な気がする。
例えば、著者曰く、「オリンピック対策」という言葉があるが、「対策」とは深刻な問題が予想される場合に対する処置に使う言葉でありしっくりこないのだそうで、
しいて言うなら「オリンピック準備」くらいでしょうか。しかし、むしろここでは、「オリンピック活用策」「オリンピック振興戦略」のようの言葉のほうが、はっきり内容が伝わりそうです。
とのこと。
この語彙選択の違いを、どっちでもいいと思うような、やや語彙力の低い人には、著者が言わんとするところが伝わらないと思った。
この本を読んで思うに、語彙力を鍛えるには、本や人から大量のインプットによる言葉の意味を感覚的に身に付けつつ、適切なアウトプットを繰り返していくしかないのだろう。
*文章力をつけるためのおすすめ本あります