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書きたい人、書かねばならぬ人 読んで書き学ぶしかない

考える技術・書く技術  板坂元


この本書いたのどんな人

この本を書いたのは、日本の評論家、日本文学者さん。近世文学を専攻されていました。
中国で生まれ、長崎で育ち、東京大学へ進学。
その後は、イギリス・ケンブリッジ、アメリカ・ハーバードにて教鞭をとり、日本語や日本文学を講じたというお方だ。
板坂元 - Wikipedia

この本は、1973年の初版後、第67刷が発行されている本でもうかれこれ、30年以上も、読み続けられている本だ。

考え書くための日本語を熟知している著者による本だからこそ、長く読み継がれているのだろう。

私の感想


確かに、この本は、技術としては古いものもある。

しかし、30年前のパソコンのない時代に、いかにして考え、書いてきたかを知ることができるし、
なにより、今もなお、真似したい技術も多い。


そして、私好みのおじいちゃん文体が最高です。
高尚な、正しい日本語の堅苦しいまでの言い回し、そして、老いからくる安定感のようなものが好きだ。


さて、実は私は、今も、勉強を続けている。今さら大学生である。
レポートをばんばん書かなくてはいけない。
そのためには考える技術・書く技術は不可欠なのだが、なかなか根気が続かない・・・。

著者曰く、

くり返していうが、頭のよしあしなどというものは、つねに変化するもので、自分の身辺にいくらでもトレーニングの手段は転がっている。
よしあしは、その手段を見つけてトレーニングをマメに実行するか老朽化にまかせるかによる。
学歴とか教師の差などというものは、九割がた関係はない。
試験の点数がアテにならないのと同様に、学校教育も信じられているほどに役に立つものではない。
ただ、とりえといえばそれぞれの才能が伸びていくのを応援団のように励ましてくれる点だけだろう。
平凡な結論になるが、つまるところは、自主トレーニング次第ということになろうか。

試験の点数が応援団だなんて、思ったこともなかった。

でも確かに、この年になっても、試験の結果が良かったら、また頑張ろうという気持ちになるし、達成感も得られる。


考え、書く技術に近道はない。

著者に、そう諭され、そして励まされた気がした。




*文章術を高めるために
tetuneco.hatenablog.com