中島らもの特選明るい悩み相談室〈その1〉ニッポンの家庭篇(集英社文庫)
著者はこんな人
中島らもさんというと、よく知らないのになぜか「破天荒な人」というイメージだけが私の中にあります。
小説家、劇作家、随筆家、広告プランナー、放送作家、ラジオパーソナリティ、ミュージシャンなど肩書きはたくさんあるようです。
きっとアイデアの尽きない愉快な方だったんだろうなあと推測しています。
2004年7月に事故のため急死されていたんですね。知りませんでした。
オフィシャルサイトをのぞいたら、中島らもさんの傑作と言われた戯曲が2015年に上演されていました。長く愛される作品を書かれておられる方のようです。
詳しくはこちら↓
中島らもオフィシャルサイト | Official Site of Ramo Nakajima
色々事件のようなこともあったようですが、それはそれ。この本を読めば、著者の心根の暖かさがよくわかります。
内容は?
朝日新聞で連載してた悩み相談の特選70編が掲載されています。
家族篇ですので、家族内のちっちゃくって、へんてこりんな悩みの集まりです。
「青春」している父とつきあう法
なぜ妹にだけ「お」がつかないの?
娘に言えないほんとうの年齢
古いご飯新しいご飯のたたかい
特売卵買い込む母のゆで卵攻め
ゾッとするほど「あんこ中毒」の父
とまあ、例示はこのくらいにしておきますが、他人から見れば深刻なものはなく、ドッチャでもいいでしょうと思うような家族の悩みに、著者は一つ一つ丁寧に答えます。
私の感想
私は、自慢じゃないですが、新聞というと、書評か悩み相談のコーナーしか読んだ記憶がありません(残念ながら朝日新聞ではなかった)。
そして、今でも覚えている悩みは、「古漬けと言って、賞味期限の切れた漬物を持ってくるご近所さんに困っている」と「エロビデオを借りに行って、会員証を作るのに身分証明書を提示したけど後悔している」の2つです。
その答えはどうだったのか覚えていませんが、世の中にはいろんな悩みの人がいるもんなんだなと驚いた記憶があります。
皆、大なり小なりいろんな悩みがあります。
この本では、著者があったかく答えてくれています。
その答えのどれもが、中島らもさんだから書ける答えであり、悩んでいる本人はともかく、読者を「なるほど」と納得させ、暖かい気持ちにさせます。
くだらないことにも付き合ってくれる人がいるって、すごく安心するんだなぁとなんだかしみじみした本でした。
*おすすめの本あります