デミアン ヘッセ,高橋健二
- 作者: ヘッセ,高橋健二
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1951/12/04
- メディア: 文庫
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本の紹介文を引用する。
ラテン語教室に通う10歳の私、シンクレールは、
不良少年ににらまれまいとして言った心にもない嘘によって、
不幸な事件を招いてしまう。
私をその苦境から救ってくれた友人のデミアンは、
明るく正しい父母の世界とは別の、
私自身が漠然と憧れていた第二の暗い世界をより印象づけた。
主人公シンクレールが、明暗二つの世界を揺れ動きながら、
真の自己を求めていく過程を描く。
明と暗。光と影。
誰にでも、どこにでも、二つの世界が潜んでいる。
平和な日常の一方、世界のどこかで戦争や飢餓があり、
愛に満ちた生活の中でも、嘘をついたり、人をねたんだり、
影の部分は必ず付きまとうものだ。
デミアンは言う。
神の礼拝とならんで悪魔の礼拝を行わねばならない。
それが正しいだろうと思うんだ。
あるいはまた、悪魔を包含している神を創造しなければならないだろう。
それに対して人は目を閉じてはならない。
今日、結婚式に出席した。
久しぶりに賛美歌を歌い、聖書の朗読を聞いた。。
影を排除し、光の世界だけを生み出す宗教に、吸い込まれそうになった。
光の世界の存在しか認めず、そこに安穏として暮らせたらどんなにいいだろうと、
強くひき寄せられてしまった。
でも、
悲しいかな、影の世界を、私は切り離すことができない。
でも、
それでいいんだな、たぶん。
それでこそ、人間。それでこそ、私。
とまあ、結婚式という光に包まれるべき場所で、
こーんなことをもんもんと考えておりました。
お二人さん、どうか影の世界に吸い込まれませんように。