時間の不思議 都筑卓司
この本書いたのどんな人
この本を書いたお方は、昭和三年生まれ。
すでに2002年にお亡くなりになられておられていて、新しい作品を読むことができないのはとても残念ですが、ブルーバックスでは初期の頃から数々のベストセラーを出しておられますので、作品を通じて、著者の世界を解き明かすという科学への思いを感じ取りたいですね。
内容
この本は、時間という
誠に奇妙なこの概念(?)をメインテーマにして、主として物理学の最近の発展を追ってみたものである。
具体的には、時間とはなにかを解き明かすべく、7つのテーマに沿って解説している。
まずは、時間の相対性から始まりワームホールという謎の存在を用いて、タイムマシンが実現するという理論を紹介する。
ここからが、エライコッチャである。
次に、時間もないというか、時間が止まるブラックホールの話になったかと思うと、時間の始まりに迫っていく。
それは、宇宙の始まりであり、量子論的時間や、ホーキングの虚時間に逆転する時間、最後には、永遠の(?)時間として、宇宙の姿にまで話は及びます。
もうわけわからない世界です。
この本の中に広がるのは、目に見えない時間を科学的に解き明かそうとするとこうなるのか、という驚きに満ちた世界です。
私の感想
いやはや。
時間の不思議を語ろうとすると、ここまで深く物理学の世界にどっぷりはまり込んでしまうとは思いもよらなかった。
タイムマシンの話は、まだなんとかわかったような気もしたし、時間について考えているという意識も持てたような気がしていました。
しかし、本の内容がブラックホール、虚時間、そして、ひも理論に10次元の世界とくると、
「あれ?時間の不思議というタイトルの本を読んでたはずだったが。」
と、この本が時間についての本だったことを忘れそうになりました。
まあ、私がのんきなだけで、宇宙の全てを説明すべく理論構築された物理学の知識無くしては、時間の不思議を説明できないのは当たり前か。
とにかく、この本を読んでわかったことは、時間は不可逆であるということ。
そして、書いていることの多くが、よくわからなかったという点も含めて、私にとって時間は、まだまだ不思議な存在であるということ。
よくわからないことがあるということは、それはそれで楽しいもので、今後も、この本に懲りずに、宇宙や時間について、いろんな本を読んで、身の程もわきまえず、理解を深めていけたらなあと思う。
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