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本を読んで社会をのぞき見

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『不機嫌の時代』山崎正和

著者は、日本の近代文学

志賀直哉永井荷風夏目漱石森鴎外の作品を通じて、

生きることにまつわる苦痛、不安、欝屈等々のもやもやした雰囲気を

「不機嫌」という気分として把握し、

ある時代の気分、社会全体の気分を分析しようと試みている。


具体的には、「不機嫌」という気分はどのような時代背景の中、

どのように生まれ、どのように漂っていたのか、

それがどのように作品に表現されているかが綿密に検証されている。



私は、この本が、各作品を

あまりにも深く詳細にまで丁寧に検証している結果、

内容が深くなればなるほど、

昔、国語の授業で、

「作者はこう考えている。」とか「登場人物は何を思っているのか」とかとか

先生が、まるでそれ以外に考えてはいけないかのような言いぶりで、

私に迫ってきたことを思い出させた。


そうして次第に、この本が何のための本か見失ってしまったように思う。


それは、そもそも私の本の読みが浅いためかもしれない。



よし、この本で引用されている作品を何か読んでみよう。

そして著者に近づけるかどうかわからないけれど、

作品を読んで、「不機嫌」という気分を作品を通じて感じてみようと思う。




不機嫌だらけのこの時代に、

んなのわざわざ読まなくったって「不機嫌」な気分なんて感じられるんだけれど。。

文字にしたらどう表現されるのか、そこんところを自分で確認したいと思う。