- 作者: チェーホフ,小笠原豊樹
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1970/12/02
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 15回
- この商品を含むブログ (27件) を見る
この本は、チェーホフが晩年に書いた短編集であり、ロシア社会が舞台となっている。
この世の中には、人間は大きな意味で男と女しかいないわけで、
社会を描くと、必然的に男と女を描くことになる。
タイトルと装丁から想像するほど、その内容はかわいいものではなく、
著者の切りだす一場面は、なんとも辛辣なのである。
恋愛ともつかない男女の人間関係は、
どの時代もどの国でも、たいして変わるところはないようで、
かわいい女など、
男にとってかわいい女は、得てして、女から見てかわいそうな女だったりして、
そういう感覚は世界共通なんだなと妙に納得したりする。
ともかく何気ない一言、一場面を切り取る
チェーホフの作家としての鋭い力を感じた。
あのとき結婚しなくてよかった。
この一言には参った。