歴史とは何か 作者: E.H.カー,E.H. Carr,清水幾太郎
以前、『歴史を学ぶということ』という本を読んだ。
その本には、歴史を学ぶこととはどういうことかの説明を始める前に
延々と、著者のおいたちが書かれている。
どのように育ち、どのように歴史を学ぶにいたったかが、長々と書かれているのである。
その長さに私は、
なんでおいたちが長々と書いてあるんだ?と思ったが、
読み進むうち、
人が歴史を学ぶとき、その歴史を語る人、その人をまず知らなければならないということが次第に分かってくる。
この本では、なぜ歴史を語る人をよく知る必要があるのかについて、詳しく解いている。
もともと歴史というのは現在の眼を通して、現在の問題に照らして過去を見るところに成り立つものであり、歴史家の主たる仕事は記録することではなく、評価することである。
歴史家が評価しないとしたら、どうして彼は何が記録に値するかを知り得るのか
つまり、私たちの周りのすべての事実が歴史的事実となるのではない。
例えば、鉄砲伝来といった、歴史的事実として歴史の授業で学んでいる事実は、
歴史家が、歴史的事実として評価したものなのである。
歴史的事実なるものが、誰かに評価されたものである以上は、
評価する者の主観が入ってしまうことはやむを得ない。
だからこそ、歴史を学ぶには、まず、評価する者
すなわち、歴史家を知らねばならない。
こんなこと、考えもしなかった。
隣の国では、ホントにちゃんと歴史を教えているのか??
と思っていたが、
それは、
評価するものとしてのお隣の国の人を疑っていることにほかならない。
私は、日本という国の中で、日本からみた歴史を、日本人として学んでいる。
私も歴史を評価する者の一部なのだ。
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