孤島の鬼 江戸川乱歩
小さいころ、取り立てて本好きではなかった私だが、
図書室は好きでよく通った。
おそらく幼いながらにも、
私は読書家のふりをしていたのだと思う。。
その頃から探偵ものとかが好きで、
江戸川乱歩は、多くの子供がそうであるように、
明智小五郎探偵シリーズを読んでいた。
サーカスとか仮面とか、
ピュアな田舎者の私には、たいそう衝撃的な内容であった。
(そこか?)
一方、明智小五郎探偵シリーズとは異なり、
恐らくこの本は、内容からして、小学校の図書館には置いていない(置けない)本だと思う。
その、何といいますか、人間の性(さが)というか
その、そういったことが表現されていて
そこがその、怖くせつないところでもあって、
指を切ったとき、流れ出る血に、ふときれいだなんて思ってしまうような、
そんな感じの、
やや後ろめたいながらも魅かれてしまうような、
嫌な後味のする感じ。。。がこの本全体に漂っているから。
それが、この本が、私を虜にして離さない魅力だといえる。
大人なあなたにおすすめしたい1冊。
ただ単純に、楽しく読むことも可能ですから、ご安心ください。
この本から拾ったことば
「刹那的一夫一妻主義」
には参った。
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