生物と無生物のあいだ 福岡伸一
生命とは何か
そう問われたら、どう答えればいいのだろう。
私はふと大学に入りたての頃、
生物学の時間に教師が問うた言葉を思い出す。
人は瞬時に、生物と無生物を見分けるけれど、
それは生物の何を見ているのでしょうか。
そもそも、生物とは何か、皆さんは定義できますか?
プロローグに書かれたこの言葉は、私をはっとさせた。
生命とはなにか問われると、
はっきりとは答えられないものの、
確かに、それが生物であるか、無生物であるか
峻別できる。
この本を読み進めるほどに、内容は、
どんどん専門的かつ難解になったが、
過去から現在に至る生命を探る研究の成果を学び、
徐々に生命に迫っていく作業は、
本当に楽しかった。
ただ、この本を読み終えて
私はこの本を読むにあたって、
違った目的を持って読んでいたことに気づいた。
私は、生物と無生物のあいだではなく、
私は、生物の生と死のあいだに興味があるようだ。
生命とは何か。
それは決して、死の裏返しではない、と私は思う。
この本が与える生命の定義に、
私は圧倒された。
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