必ず書ける「3つが基本」の文章術 近藤勝重
文章が上手くなることをうたった文章術の本は、本屋に行くとずらりと並んでいる。
近年、紙や書籍など印刷された文字媒体の利用率が低下し、活字離れが進んでいるというが、一方で、こうして文章術の本が出版され続けている。
それはつまり、文字にして何かを伝える、残すということに未だ必要性があり、媒体を変えて、「書かねばならぬ」あるいは「書きたい」という人は、減っていないということなのだろう。
私はというと、書かねばならないわけではなく、ただ書くのが好きだ。下手の横好きである。
文章術の本も読んだ(集めた)。なのに上手くならないのである。
さて、この本では文章を書くには「3つが基本」なのだそうである。
1 何を書くかでは、
個人的な体験にどう興味を持たせるか。それが作文です。
①体験、②気づき、③普遍性
2 どう書くかでは、
文章と周りとの関係性をどう描写するか。
文章力が問われるところです。
①人、②物、③自然
3 どう構成するかでは、
何があったのか。そこから書き始めてください。
①現在、②過去、③未来
頭でわかっていても心は別です。
①理解、②納得、③自己表現
著者は「3つが基本」を掲げている。
したがって、この本も、最初から最後まで「3つが基本」ルールに則って書かれている。
そのため、非常に読みやすく、理解しやすい。
本書を持って、文章の手本を示しているのだ。
文章構成のみならず、たくさんのヒントが散りばめられているので、文章を上手く書きたいと、この本を手に取った人には、少なからずヒントを与えてくれると思う。
私には、
ぼく自身の経験からここに書き記しておきたいのはこんな言葉です。
「聞くは言うに勝る」
聞いて言葉をいただければ、聞くは書くにも勝るのです。
が、ヒントになった。
この本では、全文に渡って、たくさんの文学作品、名曲の歌詞、映画のセリフなど名文が、お手本として引用されている。
この本を読むと、著者が、これまでたくさんの言葉を受け、蓄積したきたかが伺える。常日頃から、受け取った言葉を、書き留めるなどして大切にしておられるのであろう。
事務的な文書は、使う言葉こ限られているし、技術を学び訓練すれば、上達はするだろう。
しかし、ブログのような日常を綴る文章を豊かにするには、いろんな本を読み、人と話をし、たくさんの言葉をいただいて、自分のものとしていく必要があるのだと、今さらながら実感した。
エッセイ書きたい人は、この本いいんじゃないかな。おすすめです。
必ず書ける「3つが基本」の文章術 近藤勝重
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