青春を山に賭けて 植村直己 (文春文庫)
この本書いたのどんな人
この本の著者、植村直己さんは、日本人として初めてエベレストに登り、世界で初めて五大陸最高峰を極めた世界を代表する冒険家です。
って、みなさん知っていますよね。
現在も、著者のホームページが残されていて、トップページの著者の優しい笑顔が印象的です。
また、こちらのホームページには、この本の中で、著者がアマゾン川を60日かけて下った時のイカダの写真も掲載されていますので、よかったら覗いてみてください。
詳しくはこちらを↓
内容
この本では、植村直己さんの言葉で、本格的に登山を始めた大学時代から、
1966年(昭和41年)7月25日
マッターホルン単独登頂
1966年(昭和41年)10月24日
アフリカ最高峰キリマンジャロ単独登頂
1968年(昭和43年)2月5日
南米最高峰アコンカグア単独登頂
1970年(昭和45年)5月11日
日本人初エベレスト登頂
1971年(昭和46年)1月1日
グランド・ジョラス北壁登頂
までを綴ったものです。
冒険の多くは、言葉もわからない土地で、資金を稼ぎ、生活を切り詰めて資金を貯めるところから始まります。
山を登るための計画や登山の許可申請から荷造り、そして、登頂も、著者は一人にこだわり、強い意志とともにやり抜いていきます。
その全てを綴ったこの本には、著者にしか書けない本当の冒険物語があります。
私の感想
このところ、Twitterを覗いていると、働かないで海外生活をするとか、不労所得で楽して生きるとかいう若者のつぶやきをチラチラと見かけます。
本当かどうかわかりませんが、なんかこう根無し草のような生き方をしたい人が増えているんだなぁと思います。
この本を読むと植村直己さんって、究極の根無し草のような方なのかなと。
好きな山登りのために、どこへでも行きました。
しかし、植村さんの旅は、他の若者の旅とは、全く違います。
他にも日本からやってきた、たくさんのザック組がいた。彼らは三食の食事も満足にとらず、フランス料理はまずいとか、何は口に合わないとかゼイタクをいっていたが、彼らには、私の十分の一も旅ができまい。
そして、今の若者の旅とも違います。
植村直己さんの旅には、いつも感謝がありました。
行く先々で辛いこともありますが、助けてくれる人たちへの感謝の気持ちを忘れませんでした。
社会的な根はなくとも、感謝の気持ちのある人は、感謝を向ける相手との太い心のつながりが生まれます。
植村直己さんは、様々な人とのつながりを支えに、すべての力を山へと注ぎました。
この本を読んで、偉業を成し遂げる方には、やはり成し遂げられるだけの力が与えられているのだなぁと心の底からしみじみ感じました。
本当に、羨ましいほどの青春でした。