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映像的 ミステリー だまし絵を読み解くのはあなただ

ラットマン 道尾秀介 (光文社文庫)

道尾作品を読むのは、この「ラットマン」が3作品目でした。


最初に読んだのは、「片目の猿」でした。

何の予備知識もなく道尾作品を読んだ私は、まんまと彼の手中にはまってしまった。

あの本には騙されたという思いが強い。なんというかだまし絵的な感じがした。


二作品目は、「シャドウ」でした。

どう来るのか、今度こそは騙されまいと、最初っから警戒はしていたものの、やはりまた、著者の思うつぼ、にすっぽりはまり、なおかつそのつぼには、どす黒い感じのものがつまってて、いやな読後感が残った。


さて、ようやくこの三作目の「ラットマン」。

今度こそと、騙されてはならぬと、警戒に警戒を重ねて読み始めました。


最初は登場人物の紹介だ、誰だ、死ぬのは?

お、死ぬのはこいつか。

ん?なんだ、最初から、犯人がわかっちゃってるやないの?

てことは、これも騙しのテクニックだな?

2時間ドラマのセオリーでは、最初に怪しい奴は犯人じゃないしな。。

いいや、まてよ、とかいってやっぱり?

で、どういう仕掛け?どういう仕掛けなん?



犯人は誰だろう?っていう、ワクワク感よりも、

騙しのポイント探しにやっきになる私。


きっとどこかに、私をミスリードする仕掛けがあるはずなのだ。



読み進めるうちに、つぎつぎと展開するストーリーに、

抵抗もむなしく、結局、やっぱりすっかり騙されちゃう私。


もうしばらく、ミッチー(著者のことを勝手にこう呼んでいる)は読みたくない。

私を騙したあんチクショウには、もう会いたくない。


とはいえ、この本を手に取ったのは、私。

わかっちゃいるけど、やめられないとは、このことですな。。

*私のおすすめの本リストあります
tetuneco.hatenablog.com