dokusyo

本を読んで社会をのぞき見

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壁 を見上げて その閉塞感たるや 

壁 安部公房

壁 (新潮文庫)

壁 (新潮文庫)


同じ著者が書いたこの「砂の女」という本がとっても気に入り、
次は、「壁」かあと思いつつ・・・、恐る恐る手に取った。



砂の女」は、日本的な、なんともいえないじめじめとした怖さがあり

ざらついた砂が、口の中に残るいやな後味が残ったが、

この本は、西洋的な空気の中に物語が漂っているようである。。

本棚の隅に見つけた古い本を開いたときの、

鼻に付くような湿った匂いが漂ってくるようだ。


目の前には、カフカの『審判』や、ミヒャエルエンデの『鏡の中の鏡』に

似たような世界が広がる。

そして、昔流行った、ホントは怖いグリム童話みたいに、

子供のような残酷さがある。


現実逃避がしたい人、是非どうぞ。


著者の本はほとんど読んでいますが・・日記は少し
tetuneco.hatenablog.com