- 作者: 森鴎外
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1988/11
- メディア: 文庫
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こんにちは。お久しぶりです。
お久しぶりに書く本日記は、
ほとんど読み慣れない感じの本で、何を書いていいのやら、途方に暮れています。
というのも、この本、なんだろなこれ、
どこまでも人の時間の流れが淡々と綴られているのみ。
淡々としすぎていて、どうにもこうにも読むのがつらい・・・
波瀾万丈を地でいく私には、起伏のない人の時間に自分を乗せることができない。
だけどまあ、本読みとしては、手にした本を
道半ばにして閉じるのは、どうも忍びなかったりして。
手にした本には、とことん付き合い、著者と同じ時間を過ごすというのが、礼儀だ。
と思っている。
律儀なんだか、意地っ張りなんだか。
そうして、ついついくじけそうになるのだが、森鴎外の綴る日本語の美しさだけが、
私を次のページへと進めてくれる。
もはや、物語を読むのではなく、物語を綴る言葉だけを楽しむ始末。
私の人生だって、本にしたらきっと淡々としているんだろうけど、
たまには、こういう本を、これまた淡々と読んで、
苦行ともいうべき時間を乗り越え、一つ一つの日本語を大事に追うのもいいな、
なーんて、嘘っぽいことも考えてみたりする冬の午後なのでした。