- 作者: チームJ
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2008/05/09
- メディア: 新書
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新聞やニュースで、裁判のあれこれが取り上げられることがある。
大きく取り上げられる内容であっても、自分には関係のないことと、
見過ごしてしまうことが多い。
少し前になるが、C型肝炎訴訟などはニュースなどでよく見かけたが、
かわいそうだけでは判決は書けないし、当事者双方と裁判所も大変そうだなと思うばかりで、
まさに、我関せず・・・。
でも実際には、この本に書かれているように、
ある判決が、その後の社会に大きな影響を与えることがあるのだ。
そして、間接的にではあるが私にも影響を与えかねない。
だから、決して、裁判は遠い対岸の火事ではない。
そして、裁判が時には日本をダメにするとすれば、聞き捨てならない。
私は日本で生きているのだ。
たとえば、第一章では「正社員を守って増える非正規社員の皮肉ー東洋酸素事件」が取り上げられている。
この裁判は、整理解雇が有効となるための4要件が示され、その後の雇用関係に影響を与えたものである。
今まさに、問題となっている「派遣切り」にも大いに関係のある判決だ。
この本が書かれたころは、もちろん、この裁判が行われていたころには、
まさか、「派遣村」が登場し、混乱した今の日本を想像もしていないだろう。
このほか、この本では代理母事件、ロッキード裁判など、いろんな分野の裁判が取り上げられている。
私自身は、この本には興味の惹かれる事件が少なく残念であったが、
新聞やニュースで裁判の情報が流れると、
その後の社会に与える影響を考えるようになった。
まさに、私はチームJの思惑どおりになったのだ。