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『老いの才覚』曽野綾子

老いの才覚 (ベスト新書)

老いの才覚 (ベスト新書)

幼いころ、世の中には大人なるものがいて、
当然、私も大人になるものだと思っていた。


そうはいっても、幼い私には、なんだか大人になった私は、
まるで別の人のように思えていた。


そして私は年を重ね、今やもう、大人としかいいようのない年齢になった。
でも、大人かどうかは、なんだか不明だし、
大人の私もやっぱり、私は私でしかなくて、
別の人でもなんでもなかった。



老人も同じで、
今の私には、年老いた私は、ぜんぜん違う自分としか捉えられないけど、
やっぱり、私はいつまでも私なんだろうな、と思う。



そう思えば、老いることも私の未来、
私の容れものであるこの体が、
どんどん古びていくことはどうにもならないにしても、
未来の私の中身は、素敵でありたいと思う。



この本から、
老いることを前提とした生き方のヒントが得られれば、
と購入した。


自立した老人として生きる著者の言葉は、とても参考になった。

お金がないのも辛くて、とても不安だと思いますが、
孤独はお金があってもたぶん解決できない。
孤独との付き合いは、老年にとって、
一番勇気の要る仕事です。


それにしても、
老いる私を前提として、未来を描く私は、
どうやら長生きするつもりらしい。

そんな勇気もないのにねぇ。