- 作者: 曽野綾子
- 出版社/メーカー: ベストセラーズ
- 発売日: 2010/09/09
- メディア: 新書
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幼いころ、世の中には大人なるものがいて、
当然、私も大人になるものだと思っていた。
そうはいっても、幼い私には、なんだか大人になった私は、
まるで別の人のように思えていた。
そして私は年を重ね、今やもう、大人としかいいようのない年齢になった。
でも、大人かどうかは、なんだか不明だし、
大人の私もやっぱり、私は私でしかなくて、
別の人でもなんでもなかった。
老人も同じで、
今の私には、年老いた私は、ぜんぜん違う自分としか捉えられないけど、
やっぱり、私はいつまでも私なんだろうな、と思う。
そう思えば、老いることも私の未来、
私の容れものであるこの体が、
どんどん古びていくことはどうにもならないにしても、
未来の私の中身は、素敵でありたいと思う。
この本から、
老いることを前提とした生き方のヒントが得られれば、
と購入した。
自立した老人として生きる著者の言葉は、とても参考になった。
お金がないのも辛くて、とても不安だと思いますが、
孤独はお金があってもたぶん解決できない。
孤独との付き合いは、老年にとって、
一番勇気の要る仕事です。
それにしても、
老いる私を前提として、未来を描く私は、
どうやら長生きするつもりらしい。
そんな勇気もないのにねぇ。