歴史を学ぶということ 入江昭
この本は、私の価値観を大きく変化させた本の一冊に挙げられる。
重たい本だが、一読をお勧めしたい本だ。
その歴史をどう理解、解釈、あるいは認識するかについて、ただひとつの正しい答えがあるわけではない。
この本は、3部構成になっているのだが、
第1部は、著者と歴史との出会いとして、著者の生い立ちが書かれている。
第2部は、著者の歴史研究の軌跡が書かれている。
つまり、この本の3分の2が著者自身のことなのである。
歴史を学ぶということはどういうことかを説明するために、
まずは自分自身を語る、自伝的なの本なのである。
お隣の国や遠い東の国が語る歴史と私たちが学ぶ歴史とでは、
理解、解釈、あるいは認識が違うだろう。
そのことは、誰しもわかっている。
過去に起こった出来事としての歴史は変えることができない。
しかし、その歴史をどう理解、解釈、あるいは認識するかについて、ただひとつの正しい答えがあるわけではない。
だからこそ、歴史を学ぶことを語る者が、いかなる考え方の者なのか、
よく知っておくことが必要となる。
そういうことなんだろう(私の勝手な解釈なんだけどね)。
考えてみれば、私たちが学んだ教科書に書かれている日本の歴史も、
ある一定の誰かの理解、解釈、あるいは認識によって、
書かれているにすぎないのだ。
私たちは、そのことを十分理解したうえで、歴史を学ぶ必要がある。
この本は、私の歴史認識を大きく変えたといっても過言ではない。
是非、多くの人に読んで欲しい本である。
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