ヒトはなぜペットを食べないか 山内昶
そういう反応をする人たちは、恐らく、ペットを飼ったことがあるのではないだろうか。
というのも、ペットを飼ったことがある人に、
「ヒトがペットを食べないのはなぜか?」なんて聞いたら、
そんなの当たり前だと答えるだろうから。
いや、多分、飼ったことことのない人は、食べないからペットなんじゃないの?
と思うのかもしれない。
さて、
この本だが、ペット愛好家には非常に驚くべき内容の本である。
ざっくりした印象だが、文章のほとんどが、
昔から人間はけっこういろいろ食べてるよっ
てな感じで書かれている。
まず、この本が食文化の本であることを認識したうえで、手に取ってもらいたいと思う。
世間一般の通念では、たしかにペットは原理的には可食域にはいっているけれども、心理的には禁食域にはいっているのだ。
動物全般を可食域と禁食域とに区分したとき、
人間は、禁食域にある動物であり、
ペットは、可食域にある動物との両方に属するらしい。
そしてそれは、
人間において近親相姦を禁ずることと根本的構造を同じくするらしいのだ。
そこには、内と外、
戦争において、どこまでが守るべき味方で
どこからが殺していい敵なのかといった、
究極の線引きがなされているように思いました。
いやはや、なかなかヘビーな本だ。
どうか私の知人たちよ。
私があなたの家を訪れても、
私はあなたのペットを食べないのでどうか安心してください。
*おすすめの謎本あります
tetuneco.hatenablog.com