- 『渡りの足跡』梨木香歩
この本書いたのどんな人?
この本を書いた著者は、「西の魔女は死んだ」、「家守綺譚」を書かれた方です。
「西の魔女は死んだ」は自然と親子三代のつながりが調和のとれた優しい文体で描かれた物語です。
「家守綺譚」は、自然の移り変わりの美しさを物語にしたものです。
どちらも、私の大好きな本です。
その理由は、この人の綴る言葉を、たどっていきたいという思いにさせられること、これに尽きます。
この「私の足跡」は、渡り鳥を題材とした著者の旅の記録です。
鳥を追って進み、鳥を見つめる、著者も同じく旅をする、ただそれだけのエッセイなのです。
しかし、この本を読むと、著者の描く物語の暖かさの原点は、自然との協調にあるという感じがします。
私の感想
とにかく、著者が好きで選んだ本でしたが、一つ一つの言葉をたどっているうちに、無事、最後まで読み終えることができました。
著者が見て感じた世界を、著者が選んだ言葉を介して感じ取る、それだけで、とても心が暖かくなります。
私が生きる世界も、こんなふうに優しく言葉にできたら、この世界はもっと豊かになるのだろうなと思います。
あなたの慌ただしい毎日にも、優しい言葉で彩りを。