行動分析学入門―ヒトの行動の思いがけない理由 杉山尚子
行動分析学入門 ――ヒトの行動の思いがけない理由 (集英社新書)
- 作者: 杉山尚子
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2014/05/30
- メディア: Kindle版
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というのが、この本を手に取った理由です。
サブタイトルの「行動の思いがけない理由」というのも思わせぶりだ。
著者によると
行動分析学という場合の「分析」とは、原因を明らかにするという意味である。つまり、人間や人間以外の動物の行動には、それをさせる原因があるのであり、行動分析学はその原因を解明し、行動に関する法則を見出そうとする科学
であるとのこと。
人間の行動の背後には、当の本人さえ気付いていない行動の法則があるのである。
そして、もっと考えなければならないのは、自分が無意識のうちに法則に従って行動していたとしても、自分が何かにコントロールされているのではなく、「まったく自由である」と感じることはできるということである。
むむむ。
私の行動には、思いがけない法則があるという・・・。
自分ですら驚く、私の行動に一体どんな法則があるというのでしょうか。。
また、
行動というと、体の動きのように考えやすいけれども、分析学では、頭の中で考えることも行動ととらえるそうです。
これ、おもしろいと思いませんか?考えることも行動の一つなんですねー。。
行動というと、体の動きを伴うようなイメージがありましたが、そうではないんですね。
また、
私が、ずーっと研究している「人見知り」についても、この本は新たな視点を与えてくれました。
それは、「煙草をやめられないのは意思が弱いからか」という問いに対する答えの中にあります。
1 タバコをやめられないことと、意志が弱いことが、循環論に陥っている。
2 意志が弱いというのは、タバコを吸う原因ではなく、禁煙を決意したのにタバコを吸っていることを別の言葉で、言い換えたにすぎない。
つまり、これを「人見知り」に置き換えて考えてみると、
初対面の人とうまく話せない→人見知りだ→人見知りなので、初対面の人とうまく話せない。
こんな風に循環している。そのため、なかなか抜け出せない。
しかし、人見知りというのは、人とうまく話せない原因ではなく、初対面の人とうまく話せないことを、言い換えたものである。
こういうふうに「人見知り」を捉えなおしてみると、私は、「人見知り」という言葉を使って自分を表現することで、逃げていただけなのかななんて思います。
今頃気づいたん?って声が聞こえてきそうだなー