動きが心をつくる 春木豊 (講談社新書)
動きが心をつくる──身体心理学への招待 (講談社現代新書) 春木 豊 講談社 2011-08-18 売り上げランキング : 28045
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私は、脳に関連する本が好きで、ときどき読んでいます。
脳関連の本を読み始めたきっかけは、この2冊です。
*独自の発想で脳を活かして時間を何倍にも活用しようとする本
*習慣による脳の活性化 長く売れているらしい本
私は、いよいよ自分探しなどの抽象的な活動をやめて、脳について学び、脳にアプローチして、自分自身を変えようなどと目論んでいたのです。
しかし著者曰く
脳のことがわかれば、すべてが明らかになるとさえ考える人が多くなってきた。確かに現代の脳科学の進歩には目を見張るものがあり、心の活動に伴う脳の変化を逐一画像にして見せてくれたりする。そのため心の働きもまた、脳によって説明できると思われるようになってきた。
そしてその風潮は一般にも広がっている。
そして、心理学者である著者は、
脳という中枢の存在は、末梢である四肢の活動の経験の集積であって、末梢である身体なしに存在しえない。大げさな言い方になるが、初めに「末梢での経験」があって、その経験を以後の状況で能率よく生かすために形成されてきた器官が脳なのだ。
といいます。
人間は脳(中枢)のみで存在するとは考えない。
というのか、著者の根本的な考えです。
この本では、本の多くの部分を身体の動き、そこから生ずる感覚や気分との関係について説明し、現代では、いかに脳の働きばかりが誇張されているかを解いていきます。
その上で、最後に「生活を豊かにする心身統一ワーク」において、実践的にこの本に書かれていることを体感し、かつ、心身の健康増進(ウェルビーイング)するためのワークが紹介されいています。
難しい解説を読んだ後に待っているのは、簡単な動きで心を健康にするワークでした。
私は、心という抽象的なものに囚われ、自分探しという迷宮をさまよった時期を終え、脳という科学的な世界に足を踏み入れたものの、結果、簡単な動きが心を健やかにするという結論を得たようです。
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