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デミアン 明暗二つの世界 

デミアン ヘッセ,高橋健二

デミアン (新潮文庫)

デミアン (新潮文庫)

この本は、うまく説明できないので、
本の紹介文を引用する。

ラテン語教室に通う10歳の私、シンクレールは、
不良少年ににらまれまいとして言った心にもない嘘によって、
不幸な事件を招いてしまう。
私をその苦境から救ってくれた友人のデミアンは、
明るく正しい父母の世界とは別の、
私自身が漠然と憧れていた第二の暗い世界をより印象づけた。
主人公シンクレールが、明暗二つの世界を揺れ動きながら、
真の自己を求めていく過程を描く。


明と暗。光と影。

誰にでも、どこにでも、二つの世界が潜んでいる。

平和な日常の一方、世界のどこかで戦争や飢餓があり、

愛に満ちた生活の中でも、嘘をついたり、人をねたんだり、

の部分は必ず付きまとうものだ。


デミアンは言う。

神の礼拝とならんで悪魔の礼拝を行わねばならない。

それが正しいだろうと思うんだ。

あるいはまた、悪魔を包含している神を創造しなければならないだろう。

それに対して人は目を閉じてはならない。


今日、結婚式に出席した。

久しぶりに賛美歌を歌い、聖書の朗読を聞いた。。
影を排除し、光の世界だけを生み出す宗教に、吸い込まれそうになった。
光の世界の存在しか認めず、そこに安穏として暮らせたらどんなにいいだろうと、
強くひき寄せられてしまった。


でも、
悲しいかな、影の世界を、私は切り離すことができない。
でも、
それでいいんだな、たぶん。

それでこそ、人間。それでこそ、私。


とまあ、結婚式という光に包まれるべき場所で、
こーんなことをもんもんと考えておりました。

お二人さん、どうか影の世界に吸い込まれませんように。