庶民に愛された地獄信仰の謎 小野小町は奪衣婆になったのか (講談社+α新書)
- 作者: 中野純
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2010/10/21
- メディア: 新書
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皆さんは、地獄を見たことがあるだろうか。
いやその、
温泉地で何やらぼこぼこと湧き上がる湯気と臭気とか、
浮気現場に踏み込まれるとか、そういう地獄のような光景ではなく、
地獄そのものである。
んなの、死ななきゃ見れないし、死んだからって見れるとも限らんじゃないか、
と思われるであろうが、
生きて見る地獄というのがあるのだそうな。
日本各地に点在する十王堂、閻魔堂と呼ばれる小堂がそれである。
そこには、閻魔王を含む十王とチクリ神(?)、奪衣婆など
地獄のスターたちが待ち構えているのだそうな。
(服装からして閻魔王は中国人らしい。)
この本は、
そんな地獄に魅せられた著者が、『地獄愛』を大いに語る本である。
その内容は、
こっちが拍子抜けするほど、おどろおどろしさはなく
それはもう愉快痛快といった感じで、
読んでいるうちに地獄の話だなんてことを忘れてしまうほどだ。
さて、この本で特に取り上げられているのは、奪衣婆。。(だつえばと読む)
三途の川を渡ると、渡ってきた死人の衣を剥いで枝にかける役目を負うという。
その木のしなり具合で、罪を測るとのこと。
(表紙がその様子を描いたものである)
著者は、奪衣婆は、美人で名高い小野小町の成れの果てではないかと推測する。
美しい小野小町もいつしか川辺で死人の衣を剥ぐ婆に・・・なるのかいな・・・
世の無常を知り、女性の肉体への執着をなくす
奪衣婆には、そんな意味までも込められているのかも。。
さてはともかく地獄を覗いてみるかな。
そこには老いを飛び越え死後を垣間見、ますます生きようとする
人びとのエゴが渦巻いているのではないでしょうか。
庶民に愛された地獄信仰の謎 小野小町は奪衣婆になったのか (講談社+α新書)
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tetuneco.hatenablog.com