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庶民に愛された地獄信仰の謎 閻魔様も奪衣婆もアイドル

庶民に愛された地獄信仰の謎 小野小町は奪衣婆になったのか (講談社+α新書)

庶民に愛された地獄信仰の謎 小野小町は奪衣婆になったのか (講談社+α新書)


皆さんは、地獄を見たことがあるだろうか。


いやその、

温泉地で何やらぼこぼこと湧き上がる湯気と臭気とか、

浮気現場に踏み込まれるとか、そういう地獄のような光景ではなく、

地獄そのものである。


んなの、死ななきゃ見れないし、死んだからって見れるとも限らんじゃないか、

と思われるであろうが、

生きて見る地獄というのがあるのだそうな。


日本各地に点在する十王堂、閻魔堂と呼ばれる小堂がそれである。

そこには、閻魔王を含む十王とチクリ神(?)、奪衣婆など

地獄のスターたちが待ち構えているのだそうな。

(服装からして閻魔王は中国人らしい。)


この本は、

そんな地獄に魅せられた著者が、『地獄愛』を大いに語る本である。

その内容は、

こっちが拍子抜けするほど、おどろおどろしさはなく

それはもう愉快痛快といった感じで、

読んでいるうちに地獄の話だなんてことを忘れてしまうほどだ。


さて、この本で特に取り上げられているのは、奪衣婆。。(だつえばと読む)

三途の川を渡ると、渡ってきた死人の衣を剥いで枝にかける役目を負うという。

その木のしなり具合で、罪を測るとのこと。

(表紙がその様子を描いたものである)


著者は、奪衣婆は、美人で名高い小野小町の成れの果てではないかと推測する。

美しい小野小町もいつしか川辺で死人の衣を剥ぐ婆に・・・なるのかいな・・・

世の無常を知り、女性の肉体への執着をなくす

奪衣婆には、そんな意味までも込められているのかも。。


さてはともかく地獄を覗いてみるかな。

そこには老いを飛び越え死後を垣間見、ますます生きようとする

人びとのエゴが渦巻いているのではないでしょうか。

庶民に愛された地獄信仰の謎 小野小町は奪衣婆になったのか (講談社+α新書)

庶民に愛された地獄信仰の謎 小野小町は奪衣婆になったのか (講談社+α新書)


*おすすめの謎本あります
tetuneco.hatenablog.com