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本を読んで社会をのぞき見

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イスラムの国々を西へ 夫婦の旅は続く

小説 小説-エッセイ

 夫婦で行くイスラムの国々 清水義範(集英社文庫)

 

この本書いたのどんな人

この本の著者は、小説家です。

それも、SF、ミステリー長編、短編、エッセイなど、様々なジャンルの作品を書かれている他、文章術の本も書いておられます

なんとも多才なお方なのです。

 

私は、著者の作品では、こちらの「やっとかめ探偵団」シリーズがお気に入りです。

tetuneco.hatenablog.com

 

 

内容

夫婦が並んでいるイラストのかわいい表紙の本ですが、中味は、イスラムの国々の歴史を辿る中高年夫婦の大人の旅の記録です。
全く歴史の知識のない私でも、スラスラと読め、この本を通して、遠い歴史に想いを馳せることができました。
 
訪れたのは、インド、トルコ、ウズベキスタン、イラン、レバノン、シリア、ヨルダン、チュニジア、東トルコ、モロッコ、エジプト、スペイン、イエメンとイスラムの国々です。西へ西へと進みます。
 
この本で訪れた国々を見て、著者は旅慣れているのかと思いきや、40歳にして初めての海外旅行を経験したんだそうで、この本の1話目、インドへの旅が、初めての海外旅行なんだそうです。
 
そのため、この本はイスラムの国々の歴史やそこに生きる人々を、実際に歩いた人の体感を綴る旅の記録であるとともに、著者が、旅の魅力に引き込まれていく記録でもあるのです。

 

私の感想

著者が選ぶ旅の行き先は、明るい南の島などではなく、古くからの文化と歴史のある国で、それは、私の好みと一致する。
 
そして著者は、訪れる街で歴史に触れ、そこに生きる人々を観察し、現地の食べ物を食べ、酒を飲み、ゆっくりと深呼吸するように旅をしている。
それは、ただ遠くから眺めるようにして、そーっと通り過ぎるようにして旅をする私とは大違いだ。
 
旅の途中の夫婦の会話も、信じられないほど自然で、著者の旅を豊かにしている。
これは、一人旅が一番気持ちいい私には、到底味わえないものだ。
 
イスラムの国々も美しい。
そうだとわかっても、いずれも、臆病で、自分勝手な清潔好きの、内弁慶な日本人の私には、きっと訪れることのない国々ばかりだ。
 
この本を読んで、イスラムの国々は、乾いた空気と信仰に包まれた愛おしい世界であると、私は感じることができた。