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戦後和解はどうあるべきか なぜ戦争を忘れてはいけないのか

戦後和解 小菅信子 (中公新書)

この本書いたのどんな人

この本の著者の研究室のサイトをのぞいて見ました。
掲載されたプロフィールによると、著者は、

近現代史・国際関係論・平和研究が専門分野です。戦時・災害時などの極限状況で、いかに人間性を保護してきたのか(しうるのか否か)、それがのちにどのような意味をもったのか(もつのか否か)について研究しています。研究成果は、英・韓・中・仏・独・ロシア語でも公表しています。
小菅信子研究室より)

とのこと。

著者は、日本舞踊も嗜まれるご様子。


私の感想


私は、戦争とか歴史とかに対してさほど興味があるわけではない。
学校で習ったことも、何が本当のことなのかよくわからなくなっている。

それでも、大人になった今は、なぜかこそこそと歴史とは何かを学んでいる。

歴史を学ぶのではなく、歴史とは何かを考えるようになったのだ。



著者曰く、

「どんなに悲惨な過去であろうと、平和と友好を築くためには忘れてはならない」
今日、誰もがそうでなくてはならないと確信しているようにみえる。
それにしても、困難というより、どこか逆説的な課題である。後ろ向きで前に進め、と命じられているかのようだ。
相手に強いたーあるいは強いられたー言語絶する過去の苦痛を常に想起しながら築くことができる友情とはいったいどんな姿をしているのだろうか。
どうして、いつから、なぜわれわれは、未来の平和のために過去を忘れてはならない、覚えていなくてはいけないと考えるようになったのだろうか。
この本は、こうした素朴で不完全な疑問のなかから生まれてきたものである。


この本では、いつから、なぜ、過去を忘れてはならないと考えるようになったのか、史実をもとに丁寧に解説する。
そして、さらに一歩進んで、日本は<過去>から解き放たれることができるのかという現在の問題にまで触れている。


歴史に関して、いろいろな解釈や立場があることや、今尚、日本だけではなく、変わりゆく世界各国の解釈や立場や情報も様々なメディアから知ることができるようになった。

正解のない歴史解釈にどう向き合うのか。
平和への道筋として、避けられない戦後和解を、私たち日本人が乗り越えられるのか。

一人一人が、しっかりとした考えを持つ基礎として、この本があると思う。




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