戦争の日本近現代史 東大式レッスン!征韓論から太平洋戦争まで 加藤陽子 (講談社現代新書)
この本書いたのどんな人
この本を書いたのは、
日本の歴史学者東京大学教授。専攻は日本近現代史。博士(文学)。
詳しい経歴は、東京大学のHPを見てみてください。こちら↓
野島(加藤) 陽子 - 東京大学文学部・大学院人文社会系研究科
長らく近隣のお国との歴史認識に違いによる争いが続いています。
著者は、日本近現代史を専門としておられることから、この歴史認識をめぐって、注目を集めている学者さんなのです。
内容
この本では、
為政者や国民がいかなる歴史的経緯と論旨の筋道によって、「だから戦争にうったえなければならない」、あるいは「だから戦争はやむをえない」という感覚までをも、持つようになったのか、そういった国民の資格や観点や感覚をかたちづくった論理とは何なのか、という切り口から、日本の近代を振り返ってみよう
というのを主題としています。
著者は、たくさんの史実を集め、そのすべてに、なぜと問い続けながら、
歴史を動かす深部の力
は、何なのかを解いていきます。
この本の内容はかなり詳細ですので、じっくり読めば、細やかなタッチで描かれた写実画のように、戦争の姿が、あなたの眼の前に立ち上がってくることと思います。
私の感想
私は、戦争に関連する本は、あんまり好きではない。
それでも、戦争について多少の知識を持っておくことは、社会を見る目を養うために、最低限必要なことだと思い、数年前から、時々意識して読むようにしている。
近頃では、本を読まなくても、歴史などを誰にでもわかりやすく解説してくれるテレビ番組がたくさんあって、いろんなことを教えてくれる。
確かにテレビ番組は、学校の授業とは比べ物にならないほど、大変にわかりやすい。
とはいえ、わかりやすくするために多くのことが省かれてしまっているということも忘れてはならない。
そして、わかった気になって、さて戦争のことをもっと知りたいと思うと、やはり本を読まなければならない。
しかし、テレビ番組でわかった気になることに慣れてしまうと、本を読んで、自分なりの解釈をもって理解を進めていくという作業が苦痛になるのではないか、と思っている。
この本は、東大生に向けたもので、私の脳みそには負担が大きかったが、じっくり読むに値する作品だと思う。
時には、こういう読み応えのある本もいいと思う。
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