まぼろしのパン屋 松宮宏(徳間文庫)
この本書いたのどんな人
この本の著者は大阪府大阪市出身。デザインビジネスのコンサルタントでもあるんだそうな。
著者の作品の一つ「こいわらい」のフェイスブックページを見つけたので、貼っておきます。素敵でしたので、貼っておきます。
よかったら見てみてくださいまし。
内容
この本は、3つの短編からなります。
一つ目は「まぼろしのパン屋」
暖かくてやわかな焼きたてのパンの香りが、物語全体をふんわりと包んでいる素敵な作品。大きな組織の歯車として自分を殺して働くサラリーマンのおとぎ話的な感じです。
二つ目は「ホルモンと薔薇」
パンの次は、ホルモンです。
ホルモンを、切って、投げつけて、焼いて焼いて食べて、そしてみんなで怒って泣いて笑って、泣いて。いろんな感情でお腹いっぱい胸いっぱいになる作品です。
三つ目は「こころの帰る場所」
最後は、姫路おでんです。
あんぽんたんが主人公ですが、その友達もみんなあんぽんたんです。みんなでひとつのお鍋に入って、美味しいおでんになりました。
私の感想
私はパンが好きで、そして本が好き。
それでもう、タイトルと装丁に惹かれて、この本を買いました。
なのに、本を開くと、読めども読めども、なかなかパンが出てこなくて、
ほとほと困りました。
物語の始まりは、男性社会の組織の息苦しさが描かれていて、
なんだか身につまされました。
そうしておいて、読み進めていくと、ようやく本の中から溢れるように、
パンの香りがしてきました。
パンの香りは、夢を見させてくれるのかもしれませんね。
実は、パンの物語にかなりの期待を寄せていた私でしたが、
読んでみると、ホルモンが一番美味しそうでした。
あ、いや、ホルモンのお話が、気に入りました。
なんかもう、組織とか派閥とかそういうのリアルでもう十分。
煙もくもく、焦げた油のジュージュー、ホルモンを囲んだら、
笑って笑って、みんな同じ。細かいことは、忘れてしまう。
ああ、ホルモン食べたい。
って、そういや昨日食べたんだった。
ホルモン食べたの思い出したら、今度はおでんが食べたくなってきた。
もしかしたら、本と食べ物の相性って、とってもいいのかも。
* おすすめの本あります