国家を考えてみよう 橋本治(ちくまプリマー新書)
この本書いたのどんな人
この本の著者は、
1977年の小説『桃尻娘』(第29回小説現代新人賞佳作)を振り出しに、文筆業に転じる。該博な知識と独特な文体を駆使して評論家・随筆家として活躍する一方、古典文学の現代語訳・二次創作にもとりくむ。また、編み物にも才能を発揮。製図を作ってから精密に編み込まれたセーターなどが話題を呼び、男の編み物を出版するに至った。
とまあ、実に多才なお方のようです。
検索してみたら、編み物の写真がありましたが、うまく張りつけられませんでした。
男の編み物というだけあって、精密な作りに驚きました。本とは関係ありませんが、興味を持たれた方は、「男の編み物 橋本治」で検索してみてください。
内容
この本では、みんながあると思って疑わない「国家」をテーマに、いろいろな角度から迫ります。
まず、私たちが今、「国 」というとき、何を指しているのか、漢字の成り立ちから解き明かしていきます。
また、「国」とは違い「国家」というとき、私たちの中にどのような心理が働くのか、「国家」という言葉の意味するところをいろいろな例えを交えながら解き明していきます。
そうして、いかにして日本が「国」からさらに「近代国家」へと変わっていったのか、憲法の役割、改憲までをも解説していきます。
私の感想
この本では、多くの人が漠然ととらえている「国家」というものを、いろんなパーツを使って組み上げるようにして見せてくれる本です。
そうして見えてくる「国家」の姿は、なんとも儚げな姿でした。
「今の若い人は政治に関心を持たない」という言い方がされます。でもこれは、今から二十年前にも三十年前にも四十年前にも言われたことです。政治に関しを持たないまま、もう「若い人」ではなくなっている人はいくらでもいます。
私を含め、儚げな国家にぶら下がるようにしている、政治に無関心な人たちは、いくらでもいるように思います。
今後も、私は多分、政治に参加する(投票する)ことはないと思います
しかし、無関心でいるのではなく、この国でそして世界で、「国家」をめぐる争いがあるとき、「国家」のあり方が変わろうとしているときには、自分の考えを持てるようにしたいと思います。
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