洞窟オジさん 加村一馬(小学館文庫)
この本書いたのどんな人
この本を書いたのは、13歳で家出をして以来43年間を洞窟や河原の橋の下などで生活していた「洞窟おじさん」です。
洞窟などで暮らしていた以外は、いたって普通のおじさんです。
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内容
この本は、昭和35年に13歳の少年が、洞窟で暮らしていたというノンフィクションらしい。のちに、洞窟おじさんとして振り返る自叙伝的な本です。
「ホームレス中学生」もびっくりですね
内容的には、人里離れた山中に長くいたために、物語のほとんどが、生きていく上での最低限の事である食べる事に集中しています。
とはいえ、山を出て川に来たあたりから、人との交流もちらほら。
そうして、人の中で生きていく事に。
やっぱり人との交流が、みなさんお好きなのか、そのあたりの物語を中心に、ドラマ化もされていたようです。
「洞窟おじさん」は、リリー・フランキーさんが演じられたそうですが、どんなドラマだったのでしょう。
お二人の対談は、本に掲載されています。
ちょっとだけこちらにも掲載されていました↓
私の感想
この本を読んだ思い出したことがある。
「ロビンソン・クルーソー」というお話のこと。
主人公のロビンソン・クルーソーは無人島に独りきり。洞窟おじさんと似た環境です。
無人島についたロビンソン・クルーソーには、「ロビンソン・クルーソー」の表紙にあるように、犬と猫と猿とオウムと暮らしていました。
無人島なのに動物の友達が必要だったのは、人間が一人だけだと、名前をつけて区別する必要がないので、名前が不要になるからだと聞いたことがありました。
この本を読んでいても、「洞窟おじさん」が山を降りて、人と触れ合うようになって、初めて名前が必要になりました。
私は常日頃から、いつか山奥にこもって仙人のような暮らしをしたいと思っているのですが、この本を読むと、人との交流を全て断つということは、名前を捨て、今ある私自身とも決別することになるような気がしました。
生きている限りは、誰かと繋がることで、私が私として生きていることを実感することが必要なのかもしれません。
巻末の著者によるサバイバル術(ヘビの食べ方など)も楽しいです。
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