ねぼけ人生 水木しげる(ちくま文庫)
この本書いたのどんな人
この本を書いたのは、言わずと知れた「ゲゲゲの鬼太郎」、「悪魔くん」の生みの親、水木しげるさんです。
2015年にお亡くなりになられていますが、「ゲゲゲの鬼太郎」は5度テレビアニメ化され、境港市には「水木しげるロード」が建設されて、多くの観光客が訪れており、今もなお、たくさんの方から愛されています。
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内容
この本では、子供の頃から、暗く死と隣り合わせの戦争、戦地での現地の人々との暖かくのどかな交流、戦後の貧しいながらも、もがき続ける暮し、漫画が売れ出し多忙を極めた時期までを振り返る自叙伝的エッセイです。
タイトルは「ねぼけ人生」となっていますが、とてもねぼけていたような人生には思えませんでした。
しかし、水木さんが自ら、あんなこともあったなと、夢を見るかのようにうつらうつらと振り返った感じが、タイトルによく表されていると思います。
また、この水木しげるさんとの人生を奥様が綴られた「ゲゲゲの女房」はNHKでドラマ化もされていて、両方を読むと、本人と妻のそれぞれから見た「水木しげる」が見れて面白いと思います。
私の感想
私にとって、水木しげるさんは、戦争に対するイメージを大きく変えた方でした。
私は、できるだけ本のジャンルにこだわらず読みたいを思っていますが、戦争に関する本はあまり読んできませんでした。
そんな中、著者が、自身の戦争体験を漫画にされていることを知りました。
その漫画に描かれていた戦争は、決して勇ましいものではなく、飢えと死でした。
この時、私は、実体験を基にした作品を避けずに読まなくては、強く思いました。
この本でも、戦中の体験が綴られていて、どうしてもその部分に気持ちが向いてしまいます。
そんな中、著者が「ねぼけ」ているかのように表現されていますが、その実たくましく生きておられる姿は、人間の生命力を感じ、私の活動力にもなりました。
私は、まだ寝ぼけ寝ぼけの人生ですが、本物のねぼけ人生にならないようにしたいと思います。
*おすすめエッセイあります
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