仕事ができる人はなぜモチベーションにこだわらないのか 相原孝夫(幻冬舎新書)
この本書いたのどんな人
この本の著者は、人材マネジメントを支援する会社の社長さんです。
著者が代表を務める会社のサイトはこちらです↓
著者のプロフィールによると、著者自ら、「人材の評価・選抜・育成および組織開発に関わる企業支援を専門」としておられるそうで、この本もその経験をもとに書かれています。
内容
この本では、まず
モチベーションはもちろん高いに越したことはない。しかし、モチベーションが全てを解決するわけではない。企業の中でこれほどまでにモチベーションに焦点を当てることは果たして正しいことなのであろうか。
と問いかける。
案外、これほどまでにモチベーションを上げることにこだわっているのか、考えたことがなかったことに気づかされる。
「モチベーション」は前向きな言葉である。しかし、会社内でその言葉が使われる場合、ネガティブな会話の中であることが多い。社員の笑顔が少ない会社のような、職場に余裕のない会社で多く使われる傾向にある。
そこで、モチベーションが問題になる原因や状況を考えた上で、著者は、モチベーションは高ければいいというものではないとまでいう。
モチベーションにこだわることなく仕事をし、幸福な労働を手に入れるには、どうしたらいいかを考えていく。
私の感想
「モチベーション」という言葉、いつの間にやら職場内に入り込み、私たちの誰もが、「モチベーション」を高く上げなければと思うようになってしまったのだろうか。
私自身、確かに仕事のモチベーションが上がらないなぁとか、モチベーションを上げるにはどうしたらいいか悩んだし、関連する本もよく読んだ。
どの本もとにかく、いかにモチベーションを高く保つかに書かれていて、そもそもモチベーションを高くする必要があるのかなど、問いかける本はなかった。
ところが著者は、「モチベーション」に違和感を持っていたという。それは大きく3点にまとめられていた。
1点目は、個人の内面の問題である
2点目は、個人的理由に最も大きく左右される
3点目は、「モチベーションが上がらない」、「やる気が出ない」とは、食うに困らぬ立場にいる人の贅沢な悩みとも思えなくない
特に3点目については、
生きていくことに精一杯な状況においては、モチベーションがどうのということは問題にならない
と指摘している。
確かに、なるほどそうかもしれない。
「モチベーション」なんてカタカナになってなんだか、いいことのように勘違いしていたけど、要するに「モチベーション」とは、「やる気」という気分のことで、「モチベーション」を高くしたら仕事がうまくいくような気になって、「やる気、やる気、やる気を出そう」と唱えていたに過ぎない。
この本を読んで、「やる気に頼らず、仕事をこなす。」、「やる気は、なくても仕事はできる。」そういう姿勢が、自分をすり減らさず、淡々と仕事を進められる力になるような気がしてきた。
今後、仕事をしていて、「モチベーションが・・・」なんて頭をよぎったら、「ああ、贅沢な悩みだな。」なんて思って、淡々と仕事をこなしていくようにしてみよう。
*オススメの新書あります
*私の好きなおすすめ「幻冬舎新書」