子どもの社会力 門脇厚司(岩波新書)
私の感想
ペットショップに行き、犬をよく見る。
あるとき、非常にかわいい奴がいた。
目がまんまるとし、茶色く、ふわふわしている。
店員にほだされて、相方が奴を抱いている。
店員いわく、こやつは、小さいうちに公園などに連れていき、いろんな犬に慣れさせ、いろんな人に抱っこしてもらうなどしないと、大きくなって飼い主に固執し、やたらと他人に吠えるなど、飼い主以外に決して心を開かず、ねばっこい性格になるらしい。
私は、茶色い丸い奴に、自分の姿を見た。
人見知りのまま大人になり、どうしようもなくひねくれた私の姿を。
そして、この茶色い丸い奴を飼い、りっぱな大人の犬に育て上げるためには、公園に連れて行き、そこにいる他の犬と戯れ、飼い主と語らい、犬を人のように褒めなどしなければならないのかと思うと、ぞっとした。
さて、こんな私が読んだこの本、大人が子どものために読む本である。
子どものいない、子どものままの私になかなかの発見をもたらしてくれた。
私たちは誰もが、自分の生きている社会のどこかにそれぞれの位置(ポジション)を占めていて、その位置を占めているものとしてしなければならないことをしながら生きている。
時に、チームで何かをしなければならないときがある。
会社、学校、家庭いろんなシチュエーションでだ。
こういうのは、私にとって非常に苦手なことだ。
しかし、そこでは、与えられた位置(役割)を果たすことが大切だ。
その位置を放棄したら、そのチームに私の居場所はない。
社会を生き抜く力が必要なのだ。
よく、社会に自分の居場所がないとかいってる人がいる(私もその一人だが・・)。
それは、ないのではなくて、与えられた位置(役割)から、逃げ出しているだけなのだ。
社会を生き抜く力は、逃げていては育たないのだ。
わかっちゃいるんだけど、上手く生きられない。
そんなあなたは是非、自分の子供時代を省みつつこの本を読んでほしい。
この本は、あなたの社会力を育てる一冊になると思う。
子どもの社会力 門脇厚司(岩波新書)
*いろんな力を集めてみたよ
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