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ワークライフバランス バランスを取るのは難しい 難しいからこそ、ちゃんと取り組みたい

ワークライフバランス 今日から変われる入門講座 坂東眞理子,辰巳渚

ワークライフバランス 今日から変われる入門講座 (朝日新書)

ワークライフバランス 今日から変われる入門講座 (朝日新書)

この本では

第1章 暮らしを整える
第2章 こころを整える
第3章 からだを整える
第4章 考え方を整える
第5章 働き方を整える

として、ワークライフバランスの実践を目指している。

それぞれが、「整える」となっているのは、
いままでの方法を大きく変えなさいと言っているのではなく、
曖昧なところ、手をつけないまま放置していたところを意識して整えるだけで充分なのだ、
というメッセージです。
つまり、ワークライフバランスの実現とは、自己改革ではなく自己発見だということです。


この本は、友人が送ってくれたものだ。

本をもらうのって、ほんとにうれしい。

私の友人にして、母となり、専業主婦となったのは彼女くらいで、
立場は違うが、私も彼女も、それぞれ違った役割を果たそうと頑張っている。

男性もそうかもしれないが、女性はとかく、仕事、家庭、自分など、
切っても切れないその役割たちが、あちら立てればこちらが立たずで、
バランスをとることが、非常に難しい。。。

そして、まじめな人ほど、自分でいることをあきらめて、
仕事や家庭の役割を果たすことに必死になるように思う。


しかし、この本のいう「整える」なら、できそうだ。
なにより、その言葉の響きがいいじゃないか。



この本の中に、かつて読み、忘れられない文章が引用されていた。
「ニーバの祈り」だ。

ニーバの祈り

神よ、
変えることのできるものについて、それを変えるだけの勇気をわれらに与えたまえ。
変えることのできないことについては、それを受け入れるだけの冷静さを与えたまえ。
そして、変えることのできるものと変えることの出来なものとを、
識別する知恵を与えたまえ。
(ラインホールド・ニーバ、大木英夫訳)


私には、若くして亡くなった同窓生がいる。
彼女は、医者を目指し勉強している真っ最中だった。

闘病生活をつづったノートにこの文章が書いてあったそうだ。

彼女は、自分に言い聞かせるように、ひとことひとことを書きとめていたに違いない。


私は、今日も生きている。

だから、変えることができる。
変えることのできないことは、一つしかない。
いつか訪れるこの世との別れ、それだけだ。

この本を送ってくれた友人は、この本から「整える」という言葉を得て、目標にしたいといっていた。

今度会う時には、きっとすっきしりた笑顔で会える、そんな気がする。