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日本SFの始祖の一人 海野十三をもう読んだ?

火葬国風景 海野一三 (創元推理文庫) 

 

この本書いたのどんな人

この本を書いたのは、戦前に大人気のSF作家さんなんだそうです。

お名前は、「うんのじゅうざ」と読むんだそうです。

 著者は、

日本におけるSFの始祖となった小説家。

徳島市の医家に生まれ。

逓信省電気試験所に勤務するかたわら、1928(昭和3)年、「新青年」に『電気風呂の怪死事件』と名付けた探偵小説を発表して小説家としてデビュー。以降、探偵小説、科学小説、加えて少年小説にも数多くの作品を残した。

太平洋戦争中、軍事科学小説を量産し、海軍報道班員として従軍した海野は、敗戦に大きな衝撃を受ける。敗戦翌年の1946(昭和21)年2月、盟友小栗虫太郎の死が追い打ちをかけ、海野は戦後を失意の内に過ごす。筆名の読みは、「うんのじゅうざ」、「うんのじゅうぞう」の二通りが流布している。丘丘十郎(おか・きゅうじゅうろう)名でも作品を残し、本名では電気関係の解説書を執筆している。

   (青空文庫より抜粋)

 

青空文庫(あおぞらぶんこ)という、著作権が消滅した作品や著者が許諾した作品のテキストを公開しているインターネット電子図書館で、174作品が公開されています。

 詳しくはこちらへ↓

作家別作品リスト:海野 十三

 

内容

この本は、11の短編からなるのですが、探偵物の本格ミステリーあり、オカルトあり、黒々とした男女の増悪あり、SFありで、幅広いジャンルの作品が収められています。

 

どの物語も戦前の言葉使いで綴られていて、古典的ではありますが、今読んでも、惹きつけられる魅力に溢れています。

 

この時代だから書けた、ちょっとギョッとするお話もありますので、読み手の方で注意してください。

 

私の感想

Kindleでは、それぞれ読み終えるまでの平均的な時間が表示されるようになっています。

この本は、読み終えるまでの平均時間が 293ページで6時間45分もかかっていました。

 

短編11編に、どうしてこんなに時間がかかるのかと思っていましたが、読み始めてみるとその訳がわかりました。

恐らく、著者が並べる一言一句を読み飛ばすのがもったいないので、 一言一句を逃さないように読んでいるせいだと思う。

かくいう私も、通常なら、読むうちにどんどん読み飛ばして、ぐんぐんスピードを上げていくのですが、この本は、それをさせてくれませんでした。

 

私は、著者のなめらかな美しい言葉選びと、描く作品のしっとりした感じが好きなんだと思う。

 

この本は、ゆっくり時間をかけて読んでほしい作品です。

 

 

 * おすすめのミステリーあります

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