- 作者: 佐藤和孝
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/10/14
- メディア: 新書
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久しぶりに、一気に読み終えた。
報道カメラマンをしている著者らしく、
事実を切り取るストレートな表現で、妙に誇張したところもないし、
体にすっと入ってくるから、すいすい読めたんだろうと思う。
こうして戦争の本を読んでも、どこか遠くに戦争を感じてしまう。
なのに、本を読み進めていくと、私のどこかが飢えた感じが、
私の中に広がっていくから不思議だ。
飢えの実体験とはほど遠いんだろうけど、
思うに、飢えというものは、
私に近いところにあって、リアルに感じられる戦争の感覚の一つだと思う。
でもこれって、戦争の感覚というより、人間の生きている感覚なんだろうな。
こういう本を読んでみると、
言葉の一つ一つに、死を垣間見ながら、
私の中の生きることへの強い執着心を思い知らされる。
私は、いつも死を追いかけて、どこまでも生きようとしている。