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本を読んで社会をのぞき見

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『戦場でメシを食う』佐藤和孝

戦場でメシを食う (新潮新書)

戦場でメシを食う (新潮新書)

久しぶりに、一気に読み終えた。


報道カメラマンをしている著者らしく、

事実を切り取るストレートな表現で、妙に誇張したところもないし、

体にすっと入ってくるから、すいすい読めたんだろうと思う。



こうして戦争の本を読んでも、どこか遠くに戦争を感じてしまう。

なのに、本を読み進めていくと、私のどこかが飢えた感じが、

私の中に広がっていくから不思議だ。



飢えの実体験とはほど遠いんだろうけど、

思うに、飢えというものは、

私に近いところにあって、リアルに感じられる戦争の感覚の一つだと思う。




でもこれって、戦争の感覚というより、人間の生きている感覚なんだろうな。




こういう本を読んでみると、

言葉の一つ一つに、死を垣間見ながら、

私の中の生きることへの強い執着心を思い知らされる。


私は、いつも死を追いかけて、どこまでも生きようとしている。