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『言えないコトバ』益田ミリ

言えないコトバ (集英社文庫)

言えないコトバ (集英社文庫)

この本は、

「彼氏」って何歳まで言っていいの?

なんて、いろいろ考えちゃう著者だからこそ書ける、

なんとも、ちまちました本である。


「言えないコトバ」とは、

なんだか自分に似合わないというか、照れくさいなぁというか、

自分のものでない気がして、どうも口にすることのできない、

言うに言えないコトバたちなのである。

著者の「言えないコトバ」は、たとえばこうだ。

思ってたより おあいそ、遠慮のかたまり、

カフェ、元気だけが取り柄です、親友、ひとりごはん

つかえない、忙しい

などなど。



いろいろ取り上げているけど、

どれもこれも、どうでもいいのでは?と思えるが、

ところがどっこい、どうでもよくないのである。


どんなコトバを選ぶかは、自分の世界をどう表すのかに直結していて、

口にしたコトバは、そのままその人を表すものだからだ。


言葉にこだわる著者は、自分にこだわる人なのかもしれない。




さて、余計な想像をしてしまったが、

期待どおりのゆるゆる感が、この著者の魅力であり、

この本も、その期待を裏切らない。



ちまちま万歳なのである。