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『公共哲学とは何か』山脇直司

公共哲学とは何か (ちくま新書)

公共哲学とは何か (ちくま新書)

公共哲学とは何か、だなんて、

公共と哲学の二つに分けたって、それぞれ上手く説明出来やしないのに、

これらをひとまとめに議論するなんて、ますます難解の一言であります。


著者いわく、公共哲哲学の意義について

公共哲学の「公共」も形容詞で

「公共の哲学」といったほうがより的確なのですが、

いずれにせよ、そういう意味での公共哲学は、

公共的という形容詞がもつ意味内容を哲学的に掘り下げることを、

まず課題とします。

といいます。


わかったようなわからないような説明ですが、

公共とは何か、

というようなことを、とことん考えるってことなのかなと・・・。


そうして今、私たちに求められる公共性とは何かを考えていく中で、

指摘されるべき日本の現状として

その一つは「滅私奉公」的な公私観とそれに対になった「滅公奉私」的な公私観であり、

もうひとつは「タコツボ的な学問状況」

が指摘されています。




自由や個人の利益の追求であるとか、

「滅公奉私」的な迷惑をかけなければ何をしてもよいといった風潮の打破。


細分化され、深く入り込み過ぎた学問を根底でつなぐ理念の必要性。


「公共」という概念に期待される役割は大きい。らしい。



とまあ、この本のホントに入口のあたりまでは理解できたのですが、

そこから先は、やっぱり哲学でいやはや・・


そういえば、以前、大学のスクーリングで哲学の講義を受けたことがあり、

で、教授がいうには、

近頃の大学生には、どうも哲学は人気がないとのこと。

近頃だけなのかどうかはさておき、他の分野にも応用できるような話をすると、

ようやく聞いてもらえるのだそうです。


医療の分野だと、尊厳死とか延命治療とか、

法律の分野だと、公共の福祉とかを例に出されていたように思う。




こういう学問もあるもんだと、触れて満足するのではなく、

哲学自体もタコつぼ化しないように、していきたいなぁと思う。