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『つながりの作法』綾屋紗月 熊谷晋一郎

つながりの作法―同じでもなく 違うでもなく (生活人新書 335)

つながりの作法―同じでもなく 違うでもなく (生活人新書 335)

この本では、ふたりの著者のそれぞれが抱える

「つながる」ことへの困難について、ふたりの経験と語りにより、

「互いの違いを認めた上でなお、つながるために必要な条件とは何か」を

ふたりで模索し、そこで出会った当事者研究を通して、

ふたりの言葉で表現していく。

当事者研究というのは、

仲間の力を借りながら、自分のことを自分自身がよりよく知るための

研究をしていこうという実践

である。


具体的には、グループミーティングのような語らいの場のような形で進められる。


それは、私にとって、

よくある自分さがしや、自己啓発と異なり、

私の内側と外側とで、ゆっくりと私を形どっていく感じで

心地よい作業であり、とても新鮮に映った。




私は、私自身のことを、

「とても乗りにくい乗り物」と呼んでいる。

例えば、私という乗り物は、

交差点に差し掛かり、右に曲がろうとする。

すると、どういう訳か指示器は左折を示してしまう。

おまけに、ハンドルも上手く回らず、直進してしまう。

そうして結局

私自身にも、そもそも右に曲がりたかったのかどうかさえ怪しくなり、

私はいったいどこへ行きたかったのか、

なぜそうなったのかわからずしまいになってしまう。

そうしてますます私は私を見失うのだ。



そんな私を、世界と、日常と、少しずつ共有していく。

この本は、そのためのヒントを与えてくれるような本だ。

同じでもなく、違うでもなく


すべてがうまくいくわけじゃないだろうけれど、

人よりちょっとぎこちなくても、

少しずつでも繋がれれば、上出来!

そう思って、私は私のままで生きていこう!!