- 作者: 永井均
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2004/10/19
- メディア: 新書
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この本は、「私」、「今」について、とことん考える
とことん哲学する本である。
(神については、ますますよくわからないので省いた。)
著者はいう。
「私」と「今」とは同じものの別の名前なのではないかとさえ感じている。
と。
私には、この一文が、この本すべてのように思えるほど、
いろんな疑問に答えてくれるものであり、
一方、新たな哲学の世界へと引き込むものでもあるように思えた。
この本では、とことん「私」にせまる。
私の理解の範囲になかろうと、その行為はとても楽しい。
そういえば、私ってなんだろう?とかそういうことを、
この頃、めっきり考えなくなった。
何を隠そうこの私も、ひとしきり「自分さがし」とやらをしていた時期があった。
厳密には、自分を探そうとしていただけで、
実際、どこを探していいやら、何を探していいやらで、
時間ばかりが過ぎたような日々だった。
そうして、ようやく自分なんてないことにたどり着き、
この頃は「自分づくり」に励んでいる有様である。
過去の積み重ねで、今の私を作ろうとしているのである。
今は私を、私は今を言い換えたものだとすると、
いったい私は何を作っているんだろう。
過去にとらわれず、未来に期待せず、
今、ある私をもっと感じていい気がした。