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ぼくは勉強ができない 古き良き肉食系男子の青春

ぼくは勉強ができない 山田詠美 (新潮文庫)

この本書いたのどんな人

数々の賞を受賞されている著者ですが、

綿矢りさ・金原ひとみが芥川賞を受賞した際、影響を受けた作品としてともに『放課後の音符』を挙げている

そうで、文学的な素敵な作品を書く方だと思います。
山田詠美 - Wikipedia

私の感想

久しぶりに、こういう青い小説を読んだ。



主人公は、17歳のサッカー好きな秀美くん。

片親である彼は、奔放な母とおおらかな祖父と暮らし、

年上の女性と大人のお付き合いをしている。

不純異性交遊」である。


子どもらしからぬ子どもとして描かれている秀美くんは、

片親ってことで、ちょっとひねくれている。

社会に対してつっぱって、片親=かわいそうなんて、

皆の常識に負けないように一生懸命だ。



ああ、私も、常識とか、当たり前とか、みんな一緒とか、

まったくなじめなくって、ついつい無駄な抵抗をしちゃったりしてたな。

なんて、秀美くんについつい自分を重ねてしまった。

(常識になじめないからって、非常識ってのは違うと思うんだよね)



今もそんなに変わらないけれど、

私の常識アレルギーが、私の人間性として定着したのか、

はたまた、周囲があきらめたのか、

私に常識を強要する人は少なくなったし、

私も、常識人としてのたち振る舞いも少しは覚えた。


これぞ、社会人!てとこかいな。



てなことを考えつつ、

振り返る私の学生時代と、秀美くんの毎日が

かわるがわる頭の中を行ったり来たりして、

その青い、まさに青春たる日々をうらやましく、また、

もう戻りたくないと苦々しく思ったりしつつ、楽しく一気に読破した。



私も、勉強ができなくっても、もてればいいなんて生き方してみたかったな。

それこそ、自分の体一つっていうか、小細工なしっていうか、

さっぱりしていて小気味いいじゃないか!!


*「ぼくは勉強ができない」は「新潮文庫の100冊 2016」に選ばれています。
tetuneco.hatenablog.com


*おすすめの本リストあります
tetuneco.hatenablog.com